1990 Fiscal Year Annual Research Report
硝子体内薬物投与による網脈絡膜硝子体疾患治療の研究
Project/Area Number |
01570972
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
河崎 一夫 金沢大学, 医学部, 教授 (20019920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 清文 金沢大学, 医学部, 助手 (90182162)
白尾 裕 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (50154365)
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Keywords | ロメフロキサシン / オフロキサシン / セフタジジム / ガンシクロビル / 網膜電図(ERG) / 硝子体内注入 / 硝子体手術 / 眼感染症 |
Research Abstract |
本研究では難治性眼感染症の治療に資すことを目的として広範囲な抗菌スペクトルを有するロメフロキサシンおよびオフロキサシン,内因性眼内炎の原因となる弱毒菌に有効なセフタジジム,ウイルス性網膜炎に効果のあるガンシクロビルの硝子体内安全投与量を家兎in vivoERGを指標として検討した。またロメフロキサシンではメラニンとの親和性が問題であるので、白色家兎のみでなく有色家兎をも用い眼内移行性、硝子体内からの排出の検討を行った。オフロキサシンでは硝子体内灌流液中に添加し硝子体手術を行い網膜への影響を電気生理学的に検討した。セフタジジムでは正常眼および硝子体切除眼への眼内移行性の検討ならびに眼内クリアランスを調べた。ガンシクロビルは反復硝子体内注入の網膜におよぼす影響をも調べた。家兎で全身投与されたロメフロキサシンおよびセフタジジムは硝子体内に有効濃度に達し得なかった。ロメフロキシサン200μg硝子体内注入では硝子体内濃度は2.8時間の半減期で低下し、硝子体内注入後10〜20時間まで眼内炎の原因となる各細菌のMICを凌駕していた。ロメフロキサシンのメラニンとの親和性に関してはメラニン色素含有組織(虹彩・毛様体・網脈絡膜)においてロメフロキサシン濃度は白色家兎に比し有色家兎で有意に高かった。セフタジジムの硝子体内注入量として200μgは網膜に対して安全と思われることが判明した。セフタジジム2000μg硝子体内注入による硝子体内濃度の半減期は17時間であった。全身投与されたロメフロキシサンの眼内移行は硝子体切除眼では術後翌日および1週後においても非手術眼に比し、促進していなかった。セフタジジムの全身投与では硝子体切除術直後および1週後で軽度の眼内移行がみられたが有効濃度に達し得なかった。カンシクロビル1mgの1週毎3回硝子体内注入ではb波が軽度に減弱した。オフロキシサン50μg/ml硝子体内灌流では術後8週までERGおよびVEPは変化しなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 河崎 一夫,望月 清文,山下 陽子,鳥崎 真人,小松 雅樹: "オキサセフェム系抗生剤の眼内クリアランスーフロモキセフナトリウムー" あたらしい眼科. 7. 415-418 (1990)
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[Publications] 河崎 一夫,望月 清文,山下 陽子,棚橋 俊郎,鳥崎 真人,小松 雅樹: "Lomefloxacin硝子体内注入の家兎網膜に及ぼす影響" あたらしい眼科. 7. 1239-1241 (1990)
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[Publications] 河崎 一夫,望月 清文,山下 陽子,棚橋 俊郎,鳥崎 真人,小松 雅樹: "ロメフロキサシン硝子体内注入後の眼内動態" あたらしい眼科. (1991)
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[Publications] 河崎 一夫,望月 清文,山下 陽子,佐々木 次尋,鳥崎 真人,小松 雅樹: "新しい抗生剤(フロモキセフナトリウム)の網膜におよぼす影響ーin vivo ERGによる検討ー" あたらしい眼科. (1991)
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[Publications] 河崎 一夫,望月 清文,山下 陽子,棚橋 俊郎,鳥崎 真人,小松 雅樹: "セフタジジム(モダシン【○!R】)の眼内動態" あたらしい眼科. (1991)
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[Publications] Kazuo Kawasaki,Yohko Yamashita,Kiyofumi Mochizuki,Masaki Komatu,Makoto Torisaki,Toshiro Tanahashi: "Pha macokinetics of Introvitreal Ceftazidime in Albino rabbit" Ophthalmic Research.