1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570975
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 博 京都大学, 医学部, 助手 (00215360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 篤 京都大学, 医学部, 助手 (70216844)
岡田 守生 京都大学, 医学部, 助手
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Keywords | 糖尿病性網膜症 / 免疫組織学 / コラ-ゲン / グリア細胞 |
Research Abstract |
硝子体手術により切除された糖尿病性網膜症の増殖組織50例について形態学および免疫組織学的観察を行った。増殖組織は、硝子体腔内に向かう組織と、網膜面上の増殖組織に大別される。硝子体腔内への増殖組織は、複雑な血管網からなる特徴的な形態をしめしていた。各種のコラ-ゲン(I〜IV型)、フィブロネクチン(FN)、グリア細胞のマ-カ-蛋白質(GFAP)の分布を免疫組織学的に検討した結果、これまで硝子体腔内増殖組織として一括してとり扱われていた組織が、硝子体との関連において2種類に分類できることを発見した。従来、硝子体腔内増殖組織は硝子体後面に沿って増殖すると考えられていたが、今回の研究では増殖組織が硝子体ゲルに囲まれて存在する像を認めた。これは増殖組織が直接硝子体内に進入する可能性を示唆する点で興味ある知見である。硝子体コラ-ゲン(II型)の他、III型コラ-ゲン、FNは、ほとんどの症例で間質の大部分を占め、増殖組織の重要な要素と考えられた。GFAP陽性細胞(グリア細胞)はいずれの症例でも認められず、硝子体腔内増殖組織の形成にはグリア細胞が関与していないと考えられた。網膜上増殖組織は、増殖細胞の集団、多量の細胞外物質及び新生血管から構成されていた。細胞外物質として、II型及びIII型コラ-ゲン、FNが多くの症例で認められた。網膜上増殖組織では、GFAP陽性細胞(グリア細胞)が多くの症例で関与している点が特徴的であった。GFAP陽性細胞の内、ミュ-ラ-細胞由来であるものの割合を、抗ミュ-ラ-細胞抗体を用いて検討したが、少数例でのみ陽性所見を認めた。網膜上増殖組織には、ミュ-ラ-細胞以外のグリア細胞、おそらくはアストログリア、が主として関与していると考えられる。以上の成果は、内外の学会(Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.30:394,1989,日眼会誌93:227,1989)で発表するとともに、一部を投稿中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yasuko Hosoda,Morio Okada,Ryoji Yamakawa,Miyo Matsumura,Nobuchka Ogino and Yoshihito Honda: "Immunohistochemical Study on Intravitreal Neovascular Tissue of Proliferative Diabetic Retinopathy" Graefe's Arch.Clin.Exp.Ophthalmol.
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[Publications] Yasuko Hosoda,Morio Okada,Miyo Matsumura,Nobuchika Ogino and Yoshihito Honda: "Immunohistochemical Study on Epiretinal Membrane of Proliferative Diabetic Retinopathy"
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[Publications] 細田泰子,岡田守生,松村美代,荻野誠周,本田孔士: "増殖性糖尿病性網膜症における網膜上増殖膜の形態学及び免疫組織学的検討"