1990 Fiscal Year Annual Research Report
網膜ニュ-ロン軸索輸送時における細胞内物質の動態に関する研究
Project/Area Number |
01570982
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
若倉 雅登 北里大学, 医学部, 講師 (50137931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 一哉 北里大学, 医学部, 助手 (60199205)
山本 昇 北里大学, 看護学部, 教授 (10050543)
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Keywords | 網膜ニュ-ロン / ミュ-ラ-細胞 / 培養 / 細胞内カルシウム濃度 / 細胞内カルシウム動員 / 4アミノピリジン / カルシウム拮抗剤 / アミノアジピン酸 |
Research Abstract |
昨年までの研究でミュ-ラ細胞とラット網膜ニュ-ロンとの混合培養系のニュ-ロンにはドパミン、サブスタンスP、ガンマアミノブチル酸などの神経伝達物質が含まれていることが明らかとなっている。しかもこのニュ-ロンは神経細フイラメントペプチドやMAPCmicrotubule associated protiein)も陽性で、ニュ-ロンとしての資格を十分備えている培養細胞である。細胞内カルシウム濃度解析装置及び画像解析装置を用いてのアプロ-チとしてアルガス1000Ca等を使い、まずこれらのニュ-ロンが15〜40秒周期で細胞内カルシウム濃度が上下しており、自動運動が存在することが示唆された。また4アミノピリジン(4AP)の3〜6mM以上の刺激により、細胞内カルシウム濃度変化が迅速に起こりこれは細胞外カルシウムを除いたとき(Ca^<2+>ーfree)、明らかに抑制された。カルシウムイオンのアゴニストとしてのランタンイオン(100μM以上)、カドミウムイオン、ニッケルイオンそれぞれとの共存実験では、ニュ-ロン毎に明らかに抑制されるもの、一部しか抑制されないかほとんど抑制されないものがあった。一般には小さなニュ-ロンほど明確な抑制があったが、形態的特徴との相関は見出せなかった。これら二価もしくは三価のイオンの濃度とカルシウム動員抑制との間には、濃度依存性応答が存在することが確かめられた。ニフェジピン、オメガコノトキシンといった強いカルシウムチャンネル遮断剤では、ほぼ完全に抑制されるニュ-ロンが多く、この培養系にはL型カルシウムチャネルが存在するニュ-ロンが多いことが推定できた。また細胞外カルシウム流入機構以外に細胞内貯蔵カルシウムが動員されていることも明らかになった。ほかにアジピン酸を用いた研究、臨床関係ではニュ-ロンと上皮との間の性質を持つ可能性のあるmedulloepithelioma,Merkel cell carcinomaの分析も行われた。
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[Publications] 若倉 雅登: "視覚神経伝達物質ー培養細胞を用いた解析" 神経眼科. 7. 190-195 (1990)
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[Publications] M WAKAKURA: "Effects of 4ーaminopyridine on intracellular calcium mobilization in transmitterーcontaining retinal neurons in vitro" Investigative Ophthalmology&Visual Science. 131. 335 (1990)
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[Publications] PGE.Kennedy,M.Wakakura et al: "Herpes simplex virus I infection upregulates stress protein expression in cultured retinal neurons" J.Neurol Neurosurg Psychiatr. 53. 72-75 (1990)
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[Publications] M Wakakura,WR Lee: "Ultrastructural pleomorphism in medulloepithelioma of the ciliary body.A comparative study of tumor cells and fetul ciliary epithelium" Jpn J Ophthalmol. 34. 364-380 (1990)
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[Publications] K Honma,M Wakakura et al: "A case of phenobarbitalーinduced optic neuropathy" Neuroーophthalmology. 9. 357-360 (1989)