1989 Fiscal Year Annual Research Report
低出力レ-ザ-照射に関する基礎的研究-骨原性細胞株MC3T3-E1に対する影響-
Project/Area Number |
01570994
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
山本 茂久 奥羽大学, 歯学部, 教授 (10103376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 博子 奥羽大学, 歯学部, 助教授 (90094945)
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Keywords | 低出力レ-ザ- / 骨原性細胞株 / 生物学的効果 / in vitro |
Research Abstract |
低出力レ-ザ-の骨組織形成に対する生物学的効果を知る目的で、培養骨芽細胞(骨原性細胞株MC3T3-E1)を用いて、その照射に対する影響について検討した。 実験に使用した低出力レ-ザ-装置は、発振源としてGa-As半導体を用いた近赤外線レ-ザ-である。96穴ウェルを用い、各ウェル内に細胞を1,000個および10,000個の濃度に植え込み、10%牛胎仔血清を含むα-MEM培地で培養し、種々の条件でレ-ザ-照射を行なった。MTT比色定量法により細胞の増殖を、また分化はalkaline phosphatase活性をそれぞれ測定した。 その結果、(1)非照射群と照射群を比較すると、照射群では細胞の増殖および分化が良好であった。(2)照射群間における増殖程度を比較すると、2分照射群よりも4分および8分照射群で良好であり、照射回数は1日2回で最も良好な増殖を示した。(3)4分および8分照射群における周波数の違いによる増殖を比較すると、パルスA(基本周波数)およびF(骨疾患に有効な周波数)よりもパルスAとFの組合せで照射時間4分が最も効果的であった。(4)レ-ザ-照射の細胞分化に対する影響は、周波数、照射回数の違いによる顕著な差は認められないものの、照射群では非照射群に比べ分化が促進する傾向がみられた。 以上の結果より、照射条件の違いにより骨原性細胞株MC3T3-E1の増殖および分化の程度に差はあるものの、非照射群に比べ細胞機能が亢進していることから、本培養系における低出力レ-ザ-照射は細胞に直接影響を及ぼし、増殖および分化に対し促進的効果を与えることが明らかとなった。従って、本実験法はレ-ザ-の細胞への影響を検討するうえで有用な手段になり得ることが示唆された。
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