1990 Fiscal Year Annual Research Report
幼若骨組織における非コラ-ゲン性蛋白質に関する微細構造的・免疫組織化学的研究
Project/Area Number |
01570996
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山田 まりえ 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (70115088)
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Keywords | 骨 / 非コラ-ゲン性蛋白質 / 90kD蛋白 / ステインズオ-ル / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
近年、骨の非コラ-ゲン性蛋白が注目され、特にミネラルと関係が深いとされているOsteonectin,Osteopontin,Osteocalcin,α _2HSglycoprotein等が注目されている。初年度は生化学的に骨の非コラ-ゲン性蛋白を抽出し、それらの電気泳動後のゲル上における染色性を利用し、同じ染色液を用い組織化学的に骨組織を染色し、形態的な局在を検索した。ミネラルと関係の深い三つの非コラ-ゲン性蛋白(分子量は各々90kD,66kD,49kD)が見いだされ、その抽出順序から基質とのイオン結合を思わせた。そのうち血清由来と考えられる49kD以外の蛋白はゲル上でStains allにより青色に染色された。このStains allを用い、ラット頭蓋骨を組織化学的に染色した。その染色性は非脱灰標本では縫合部のような幼若で石灰化の進行している極く一部分を除いて殆ど認められなかったが、脱灰標本では骨基質全体が青色に染色された。Cement line様の構造が濃染していた。また幼若な石灰化の進行している部位では顆粒状の染色性を示した。しかし、類骨、骨芽細胞、骨細胞は染色されなかった。そこで、本年度はStains allに可染性で、抽出順序から基質に最も密に結合していると考えられた90kDの蛋白を抗原とし、家兎を用いて抗体の作成を試みた。抗体の作成には体重2.5kgの家兎の背部に、抗原0.5mgの皮下投与を3回行った後全採血し、血清を分離した。免疫組織化学ではラット頭蓋骨をホルマリン固定後一部は非脱灰のまま、一部は脱灰し樹脂包埋を行い、ABC(VECTASTAIN)法にて観察した。免疫反応は脱灰、非脱灰試料共に骨基質全体と初期石灰化部位に認められた。特に石灰化した骨基質と類骨の境界部分での反応産物は石灰化球に一致して顆粒状を呈していた。脱灰試料ではrestingの骨芽細胞に面した石灰化骨基質の表面に沿って反応が強く観察された。しかしながら、類骨ではほとんど反応が認められなかった。
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