1990 Fiscal Year Annual Research Report
実験的炎症歯肉からのホスホリパ-ゼA_2活性化ペプチドの単離とその生理的意義について
Project/Area Number |
01571014
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Research Institution | Osaka University, Faculty of Dentistry |
Principal Investigator |
斉藤 喜八 大阪大学, 歯学部, 助教授 (40110788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 定秋 大阪大学, 歯学部, 助手 (00135732)
猪木 令三 大阪大学, 歯学部, 教授 (60028719)
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Keywords | ホスホリパ-ゼA_2 / カラゲニン肉芽腫 / 炎症歯肉 / ペプチド |
Research Abstract |
プロスタグランジンは炎症の誘発に強くかかわっているものと考えられている。プロスタグランジンはホスホリパ-ゼA_2を律速酵素として合成され,この酵素活性を阻害する薬物は抗炎症薬として有用なことが示されている。我々は、内因性の炎症制御物質を探索したところ、逆にラットのカラゲニン肉芽腫にホスホリパ-ゼA_2を活性し,血管透過性を高める成分が存在することを明らかにした。本研究では主として実験的炎症歯肉にもこのペプチドが存在するのかどうかを調べ、存在するならばその精製をめざして始められた。 1)ラット脊部に形成したカラゲニン肉芽腫からのフェノ-ル抽出、活性炭への吸脱着、ゲル濾過、および高速液体クロマトグラフィによる精製操作により、ホスホリパ-ゼA_2を活性化する分子量800〜1、300の成分が単離された。 2)単離された成分をロイシンアミノペプチダ-ゼで処置すると、ホスホリパ-ゼA_2に対する活性化作用が消失する。従って、本成分はペプチドであることが想定される。 3)単離成分のアミノ酸分析を行うと、アラニン、アスパラギン酸、ロイシン、フェニルアラニン、およびセリンをそれぞれ1分子含むことが解った。 4)イヌ歯肉からの同様なペプチドの単離には成功しなかった。犬歯肉に同様なペプチドが存在するのかどうか、存在するならばその生理的意義はなにかという点に関しては、精製ペプチドに対する抗体を産生して調べる予定である。
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