1991 Fiscal Year Annual Research Report
う蝕原性連鎖球菌の菌種特異的タンパク質抗原のクロ-ニング
Project/Area Number |
01571020
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福井 公明 徳島大学, 歯学部, 教授 (40035407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弘田 克彦 徳島大学, 歯学部, 助手 (60199130)
根本 兼 徳島大学, 歯学部, 助手 (10218274)
長宗 秀明 徳島大学, 工学部, 助手 (40189163)
太田 房雄 徳島大学, 医学部, 教授 (90035478)
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Keywords | う蝕 / Streptococcus mutans / タンパク質抗原I / II / 単クロ-ン抗体 |
Research Abstract |
ヒトに対して蝕原性を有するミュ-タンス群レンサ球菌の中でも特に我が国においてはStreptococcus mutansC血清型菌が病巣から最も多く分離され、う蝕発現機序解明および蝕予防ワクチンの開発には本血清型菌が最も有効であると考えられたため、本菌種C血清型菌Uー29株の全菌体をマウスに免疫し、単クロ-ン抗体産生ハイブリド-マを作成し、本菌種特異抗原の検索を行った。その結果、C血清型菌と反応する単クロ-ン抗体MAb516およびMAb498が本菌の菌体表層タンパク質抗原を認識すめことが分かった。この2種の単クロ-ン抗体はいずれも、分子量19万の抗原I/IIあるいはP1抗原、IF抗原等と呼ばれているタンパク質上の抗原決定基を認識し、特にMAbー516はC血清型菌特異的であり、MAb498は抗原I/II類似のタンパク抗原を有する他の血清型菌とも反応性を有していた。従って、単クロ-ン抗体MAbー516の認識する抗原I/IIのC血清型菌特異的領域の遺伝子クロ-ニングは、う蝕予防ワクチンの開発および本菌の病原性発現機序の解明に寄与すると考えられた。本遺伝子クロ-ニングは、供与体DNAとして、C血清型S.mutans Ingbritt株の染色体DNA、ベクタ-として、ファ-ジベクタ-λgtllおよびコスミドベクタ-pHC79を使用した。現在までのところ、MAb516を用いたスクリ-ニングによっては陽性クロ-ンは検出できなかった。免疫電顕的解析によりMAbー498の認識部位は菌体表層全域にわたって、広く分布しているが、MAb516の認識部位は菌体表層の特に細胞分裂面付近および、菌体間の接着部位と思われる突起様構造物上に多く存在し、他の領域にはあまり存在していなかった。このことは、MAbー516の抗原決定基は抗原I/IIの立体構造及び他の何等かの修飾因子が関与していることが示唆される。このような観点から、現在、DNAプロ-ブを使用した抗原I/II遺伝子のクロ-ニングおよびC特異的領域の解析中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fusao Ota: "Effects of protein intake on immune parameters in mice surviving streptococcalinfection" FEMS Microbiology. 89. 111-122 (1992)
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[Publications] Katsuhiko Hirota: "Ultrastructual localization of serotype cーspecific protein antigen of Streptococcus mutans"
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[Publications] Eleanor J.Fernandez: "Monoclona antibodies against surface protein I/II of Streptococcus mutans serotype c"