1989 Fiscal Year Annual Research Report
マウス顎下腺におけるアンドロゲン感受性クロマチン構成蛋白質の燐酸化機構について
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01571025
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 詔子 岩手医科大学, 歯学部口腔生化学, 助教授 (00048399)
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Keywords | マウス / 顎下腺 / アンドロゲン / クロマチン蛋白質 / ヒストン / 非ヒストン蛋白質 / 燐酸化 / プロテインカイネ-ス |
Research Abstract |
1 転写活性クロマチン画分におけるアンドロゲンレセプタ-複合体の分布 テストステロン投与マウス顎下腺核をmicrococcal nucleaseで消化し、得られた可溶性クロマチン画分を密度勾配遠心した。ついで各画分を〔^3H〕mibolerone(合成アンドロゲン)とインキュベ-トし、クロマチン領域に分布する内因性アンドロゲンレセプタ-複合体をexchange assay法にて検出した。その結果、テストステロン投与1時間でジヌクレオソ-ムに、3時間後にモノヌクレオソ-ムに高い〔^3H〕活性を認めた。 2 核蛋白質の燐酸化能の検索 (1)顎下腺核を〔γ-^<32>P〕ATPと共にインキュベ-トした後に燐酸化された総蛋白質をテストステロン投与のそれと比較したところ、テストステロン投与1-3時間で^<32>P活性が上昇し、テストステロン投与6時間以降は投与前レベルに戻った。 (2)燐酸化蛋白質を0.35MNaCl可溶性ならびに不溶性画分に分別し、それぞれの燐酸化能を調べた。その結果、燐酸化された総蛋白質画分中の0.35MNaCl可溶性画分の占める比率がテストステロン投与6時間まで上昇し、それ以降徐々に減少した。 3 転写活性クロマチン領域の燐酸化能の検索 ヌクレア-ゼ可溶化クロマチン画分を〔γ-^<32>P〕ATPと共にインキュベ-トした。燐酸化クロマチン蛋白質をSDS-PAGE電気泳動で分離した後にオ-トラジオグラフィ-を行った。その結果、ヒストン(H1,H2A,H2B,H3)とある種の非ヒストン蛋白質の燐酸化が認められた。
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[Publications] N.Sato,S.Kyakumoto,K.Tamura,M.Ota: "Intranuclear androgen-receptor complex binding sites of mouse submandibular gland" Jpn.J.Oral Biol.31. 417-426 (1989)