1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01571030
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安孫子 宜光 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (70050086)
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Keywords | 歯周病 / B.gingivals / 免疫抑制因子 / 遺伝子クロ-ニング |
Research Abstract |
歯周病原菌と宿主の免疫応答に関する研究が数多く報告され、宿主の免疫応答は感染防止に働く場合とむしろ歯周組織破壊に働く場合が知られている。この両面の現象を生み出す要因として免疫抑制因子が注目されていると共に、歯周病原菌の初期感染における重要な病原因子と考えらている。本研究では、B.gingivalisの超音波破砕上清画分に免疫抑制因子を見いだし、その諸性質を検討した。さらに、ファ-ジベクタ-を用いて免疫抑制因子の遺伝子クロ-ニングを試みた。 B.gingivalis381の超音波破砕上清画分の部分精製標品は、リンパ球樹立株Ball-1の^3H-Thymidineの取り込みを著明に阻害した。この増殖抑制活性はtyrpsin処理および100℃処理により抑制された。次に、B.gingivalis381株染色体DNAのファ-ジベクタ-λ47.1による遺伝子バンクを免疫抑制因子部分精製標品または超音波破砕上清画分に対するウサギ抗血清を用いてスクリ-ニングした。免疫学的にpositiveに反応したクロ-ンのファ-ジライセ-トを調製し、免疫抑制因子活性を測定したことろ、いくつかのクロ-ンに強い活性が認められた。これら遺伝子クロ-ンのファ-ジライセ-トをSDS-PAGE後、Western blot法によりリコンビナント蛋白質を同定したところ、λL47.1に比べ、いずれも分子量150,000の蛋白質バンドが存在した。さらにλMDBg11と名づけたクロ-ンのファ-ジライセ-トを大量に調整し、DEAEカラムで部分精製を行い、溶出画分をWestern blot法により分析し、免疫抑制活性と比較検討したところ、150,000の蛋白質バンドの溶出パタ-ンとよく一致した。 以上の結果から、B.gingivalisには蛋白質性の免疫抑制因子が存在し、その遺伝子は大腸菌内で遺伝発現可能であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshimitsu Abiko: "Immunosupressi factor from Bacteroides gingivalis" 日大口腔化学.
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[Publications] Yoshimitsu Abiko: "Cloning of Immunosupresive factor gene from Bacteroides gingivalis" Archs Oral Biol.