1990 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病発症とくに歯周組織破壊におけるリポキシゲナ-ゼの役割
Project/Area Number |
01571046
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡本 莫 広島大学, 歯学部, 教授 (50028742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 敏博 広島大学, 歯学部, 助教授 (00034182)
辻本 明 広島大学, 歯学部, 教授 (90034181)
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Keywords | 12ーhydroxyeicosatetraenoic acid / 白血球遊走 |
Research Abstract |
我々は歯周病発症の機構を解明する目的で歯周組織破壊におけるアラキドン酸代謝系の役割に関する研究の一部として、歯肉において活性の特に高い12ーリポキシゲナ-ゼ代謝産物の12ーHETEの白血球に対する作用とその機序について検討した。 1.12ーHETEはヒト白血球においてfMLPに比べて微小の脱分極を引き起こした。また、12ーHETEは細胞外Ca^<2+>の存在、非存在に関わらずヒト白血球[Ca^<2+>]_iを上昇させた。なお、前年度の疑問であったラット腹腔浸潤白血球において12ーHETEにより[Ca^<2+>]_iが上昇しなかった原因について検討した結果白血球採取の方法の違いによりことが示唆された。 2.前年度ラット腹腔浸潤白血球で認められたように12ーHETEとfMLPの間に白血球遊走作用および[Ca^<2+>]_i上昇において相互作用が認められた。しかし、fMLPの受容体拮抗薬であるnーBOCーMLPは12ーHETEによるヒト白血球[Ca^<2+>]_i上昇に全く影響しなかったことから、この相互作用は受容体レベル以降の段階で作用していることが示唆された。 3.12ーHETEによるヒト白血球[Ca^<2+>]_i上昇は細胞外Ca^<2+>の存在、非存在に関わらずislet activating protein(1AP)(500ng/mg)の前処置4時間で完全に抑制された。また、ヒト白血球[Ca^<2+>]_i上昇は細胞外Ca^<2+>の存在、非存在に関わらず最近開発された特異的phospholipase C(PLC)阻害剤、Uー73122(10^<-6>M)前処置により、完全に抑制された。 4.12ーHETEはヒト白血球において刺激後2秒でinositol 1,4,5ーtrisーphosphate(IP_3)の産生を試めた。 以上より、12ーHETEはヒト白血球において、IAP感受性のG蛋白を介するPLCの活性化による、IP_3の産生による細胞内Ca^<2+>の放出にに続く細胞外Ca^<2+>の流入により[Ca^<2+>]_i上昇を引き起こし、様々な細胞機能を発現している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)