1989 Fiscal Year Annual Research Report
歯根嚢胞の増大と根管処置後の縮少に関するアラキドン酸代謝の影響
Project/Area Number |
01571051
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
堀 亘孝 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (10067019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金村 成智 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70204542)
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Keywords | 歯根嚢胞 / 根管充填 / アラキドン酸代謝 / 組織培養 |
Research Abstract |
歯根嚢胞における周囲の骨吸収を促進する因子としては、破骨細胞活性化因子、コラゲナ-ゼ、プロスタグランジン等があるといわれているが、その作用機序に関しては不明な点が多い、従って本研究では、ヒト歯根嚢胞症例を用いて上皮系細胞の初代培養を施行し、ラジオアイソト-プを用いて、そのアラキドン酸代謝産物(PGE_2、PGF_2α)の定性、定量を行う。そして同時に、それぞれの症例の健全歯肉においても同様の検索を行い、対照として比較検討して歯根嚢胞増大時の周囲骨吸収におけるアラキドン酸代謝産物の役割の一端を解明することを目的とする。さらに、臨床的に歯内療法処置(根管充填)により歯根嚢胞の縮少を見ることが、一般的に知られているため歯根嚢胞を有する歯牙に対し根管処置を行い、その後のアラキドン酸系代謝物の変化と歯根嚢胞の縮少との関係を解明する。 以上のことを検索すべく、本年度は、平成元年度の研究計画であるヒト健全歯肉の上皮系細胞の初代培養を確立することが出来た。また、得られた上皮系培養細胞に、^3H-アラキドン酸によるラベリングを行いその培養液中に放出されたアラキドン酸代謝産物を薄層クロマトグラフィ-にて分離、定量することが可能であった。さらには、分離、定性されたアラキドン酸代謝物(PGE_2、PGF_2α)について、液体シンチレ-タ-によるラジオアクティビティ-を測定することが可能であった。
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