1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01571058
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
水谷 紘 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (00014324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 和夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90172395)
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Keywords | 関節円板 / 顎頭 / 顎機能異常 / 前方転位 / MRI / デュアルコイン / 顎関節内症 |
Research Abstract |
本研究の目的は、下顎顆頭の上方にあり顆頭の動きと協調して移動する関節円板の動態を把握しようとするものである。関節円板は軟組織であり、その動態の観察にはMRを使用した。 MRの装置であるが磁場強度1.5および0.2テスラと磁場強度の異なるものを使用し、比較検討した。結果は当然1.5テスラのほうがS/N比がよく像の鮮明さに優れていたが0.2テスラのものでも十分使用可能であることが判明した。 コイルについては改良型の表面デュアルコイルを使用した。このコイルの特徴としては、セッティングさえ決まれば左右の顎関節が同時に撮像出来るため、撮像時間が短く、患者に与える苦痛も少ない。しかし、関節円板の位置や動きを判読するには十分とは言えず、さらに改良の余地があった。 咀嚼運動や顎関節の動きに伴う関節円板の動態をMRで探るには、現在までの所、最大開口位より1〜2ミリずつずらした位置で固定して、その都度タ-ボフラッシュ法によるMR装置で撮像する以外に方法はない。被験者は抑臥位であり、動きもぎこちなく、実際の咀嚼運動とは多少異なったものとなようである。 本研究における顎機能異常患者の最大開口位での右側関節円板は顆頭の位置より明かに前方位にあることが判定できた。顆頭の形態も左側よりも右側のほうが吸収しており右側顎関節に異常があることが予想された。この結果は本患者の右側顎関節の臨床症状とも一致しており、現在までの結果から言えることは、MRは、顎関節の顆頭の形態および関節円板の位置の同時判読が可能であり、関節円板の前方転位や顎機能異常者の診断に有用であると言えよう。
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Research Products
(1 results)