1991 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴イメ-ジングシステムによる義歯床支持組織の機能的診断への試み
Project/Area Number |
01571060
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
内田 博之 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80213445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮入 裕夫 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (50013892)
高久田 和夫 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (70108223)
長尾 正憲 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (60014213)
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Keywords | 磁気共鳴イメ-ジシステム / 義歯床支持組織 / MRI造影剤 |
Research Abstract |
本研究はMRIシステムを用いて、無歯顎被験者を対象とした咬合時の義歯床下組織を、非侵襲的に3次元的かつ連続的に測定する方法を確立することを目的としている。 今年度までの研究から、1.口腔膜およびレジン床義歯からのMR信号は弱く、両者を識別するには間に造影剤を介在させる必要があること、2.造影剤としては医科領域で応用されているGdーDTPA(マグネビスト)を、改良を加えた寒天印象材の中に含有させることが可能であり有用であることが判明した。 これまでの研究に基づき今年度は、1.寒天中に含有させたGdーDTPA錯体の安定性を検討するために、サ-マルサイクリングを行ない、さらに、2.適切なMR信号強度を得るためのGdーDTPAの至多適濃度を検討した。 サ-マルサイクリングの結果、GdーDTPAは実用に十分なキレ-ト強度が保たれていることが確認された。また、0.4、0.7、1.0、1.3、1.6mmol/l濃度のGdーDTPAを含有する5本の寒天試料についてその信号増強効果を調べたところ、SE系列では最高濃度の1.6mmol/lが最も高い信号強度を示した。しかし、高速撮影法のFE系列によれば、中間の濃度(1.0mmol/l)が最大の信号強度となり、MR撮影法、撮影パラメ-タの選択法によりその至適濃度が異なることが確認された。最後に1.6mmol/l濃度のGdーDTPAを含有する寒天印象材を上下顎の全部床義歯粘膜面に盛り、石膏模型に圧接し約1mm厚とさせMR撮影したところ強信号帯として観察され、レジン床義歯と石膏模型とを識別することが可能であった。 開発した造影剤を生体に応用することにより、有益なMR診断画像が得られることが示唆されたが、今後より詳しく撮影条件と至適濃度の関係を調査検討する必要がある。
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