1991 Fiscal Year Annual Research Report
無収縮性コンポジットレジンの開発:特に、ラジカル重合型膨張性ベ-スレジンの検討
Project/Area Number |
01571071
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
新井 浩一 明海大学, 歯学部, 助教授 (90049396)
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Keywords | 膨張性モノマ- / 無収縮性コンポジットレジン / ビシクロホルソエステル / ラジカル重合触媒 / 表面改質微球状フィラ- |
Research Abstract |
無収縮性コンポジットレジンの試作および物性 合成した2種の膨張性モノマ-(イソホロン基およびトリメチルヘキサメチレン基を有するウレタンビシクロオルソエステル)と希釈モノマ-(トリエチレングリコ-ルジメタクリレ-トならびにイソホロジイソシアネ-トおよびメチルホキサメチレンジイソシアネ-トとヒドロキシエチルメタクリレ-トが1:2の混合物)との比率を20wt%づつ変化させ、2種のラジカル重合触媒を用い、しかもベ-スレジンとなじみやすい約径1μm(粒度分布を有する)のα型石英の表面改質微球状フィラ-(75wt%一定添加)とを組合せ、無収縮性コンポジットレジンを試作し、それらの物性を比較検討した結果、次のようなことがわかった。 1、硬化時間では2種のラジカル重合融媒(ブチルパ-オキシマレイン酸・芳香族第3アミン・バルビッ-ル酸・トリメット酸系重合触媒と過酸化ベンゾイル・芳香族第3アミン・バルビッ-ル酸・トリメリット酸無水物系重合触媒)にかかわらず、2種の膨張性モノマ-の添加量が増すにつれて遅延した。特に、その添加量が40wt%以上になると遅延しすぎ、実用化が困難であった。 2、圧縮強さおよび引張強さでは、2種のラジカル重合触媒においても2種の膨張性モノマ-の添加量が増すにつれて、いずれも低下する傾向であった。 3、走査型電子顕微鏡観察では、歯と40wt%膨張性モノマ-含有コンポジットレジンの接合状態は、市販のコンポジットレジンおよび他の無収縮性コンポジットレジンより良好であった。 以上のことと平成2年度の結果から、合成した2種の膨張性モノマ-の添加量は5〜10wt%が最も物性がよいが、これらの添加量ではコンポジットレジンの重合収縮を完全に補えないことがわかった。
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