1989 Fiscal Year Annual Research Report
純チタン鋳造体の補綴臨床における有用性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
01571072
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
長山 克也 明海大学, 歯学部, 講師 (40105630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶌 裕 明海大学, 歯学部, 助手 (80188961)
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Keywords | 純チタン / チタン鋳造 / 高温活性 / 表面硬化層 / 機械的性質 |
Research Abstract |
歯科鋳造においては、作製されたワックスパタ-ンが正確に鋳造体として再現されていること、すなわち鋳造性が最も重要な性質の一つとして要求される。とくにチタン鋳造においては、チタンの融点、高温活性、比重や埋没材の組成、通気性、操作条件などにより、その鋳造性が左右される。と同時に、これらの諸条件により、得られた鋳造体の諸性質も変化する。 そこで我々は加圧吸引型アルゴンア-ク鋳造機とマグネシア、アルミナを主成分とする耐火材およびエチルシリケ-トを結合材とする埋没材を使用し、とくに鋳型温度が鋳造性と鋳造体の機械的性質に及ぼす影響について研究を進めてきた。 その結果、鋳造性に及ぼす鋳型温度の影響は少なく、室温、300℃、600℃、900℃のいずれの条件においても、パタ-ンの再現性という点においては満足のいく鋳造体が得られ、内部鋳造欠陥もほとんど認められなかった。また、鋳造体の機械的性質に関しては、引張強さ、ヤング率、弾性エネルギ-率に及ぼす鋳型温度の影響は少なかったが、硬さと伸びに関しては鋳型温度の影響が認められ、鋳型温度が高くなるにつれて伸びは減少し、表層の硬さは上昇し、表面硬化層は厚くなる傾向を示した。これはX線分析の結果、鋳型温度が高くなるにつれて、溶融チタンと埋没材中のシリカとの反応性が増し、そのため鋳造体中の反応層が増加したためであると考えられたが、それ以外に酸素、水素、チッ素などとチタンとの反応による影響も示唆された。
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Research Products
(2 results)