1989 Fiscal Year Annual Research Report
Osseointegrated implantによる受圧感覚機構に関する研究
Project/Area Number |
01571075
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
小宮山 彌太郎 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90103366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 宏巳 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (50130133)
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Keywords | 骨結合インプラント / 動的荷重 / 静的荷重 / 受圧感覚 |
Research Abstract |
顎骨内に埋入した人工歯根により義歯を支持させるインプラント義歯の設計基準を得るためには、人工歯根周囲組織の圧感覚を把握することが必要となる。そこで、骨結合インプラントにおける人工歯根に対する荷重の感覚閾値について、静的荷重と動的荷重とに分けて調査を行なった。人工歯根周囲組織の圧感覚としての被圧量の認知能力としては、ます、動的荷重時における閾値すなわち振動発生装置の先端を、義歯(上部構造)を撤去した人工歯根に接触させ、どの程度の単発荷重まで認知しうるかについては、衝撃加速度として長軸方向で0.052±0.078G、水平方向で0.114±0.162Gの値を示した。これに対して、天然歯列者の前歯・小臼歯のそれは、衝撃加速度として長軸方向および水平方向いずれも0.040±0.050Gの値を示した。したがって、衝撃加速度として表現される荷重状態においては、骨結合インプラントと天然歯列とにはほとんど圧感覚の差異は認められない。一方、静的荷重時における骨結合インプラントの圧感覚閾値すなわち荷重装置の先端を、義歯(上部構造)を撤去した人工歯根に接触させ、徐々に荷重を増大させた場合、どの程度の荷重量を認知しうるかについては、長軸方向で220〜390gr、水平方向で370〜770grの値を示した。これに対して、天然歯列者の前歯・小臼歯のそれは、静的荷重時において長軸方向で7.2〜30.0gr、水平方向で6.4〜19.0grの値を示した。したがって、徐々に荷重を増大するような荷重状態においては、骨結合インプラントと天然歯列とに著しい圧感覚の差異が認められる。以上の結果から、骨結合インプラントの人工歯根に対する荷重は、天然歯に対する荷重の認知とは全く異なった感覚機構により認知されている可能性が高いことが認められた。
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[Publications] 吉田浩一: "Osseointegrated implant周囲組織の圧感覚閾値に関する研究" 日本口腔インプラント学会誌. 88. 1603-1642 (1988)
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[Publications] 高松透浩,吉田浩一,小宮山彌太郎,岸正孝,関根弘: "オッセオインテグレイテッドインプラントにおける食品の硬さ識別機構に関する研究(第3報)" 日本補綴歯科学会雑誌. 33(特別号). 67 (1989)
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[Publications] 高松透浩,吉田浩一,小宮山彌太郎,岸正孝,関根弘: "オッセオインテグレイテッドインプラントにおける食品の硬さ識別機構に関する研究(第2報)" 日本口腔インプラント学会誌 掲載予定.
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[Publications] 高松透浩,吉田浩一,小宮山彌太郎,岸正孝,関根弘: "オッセオインテグレイテッドインプラントにおける食品の硬さ識別機構に関する研究" 日本口腔インプラント学会誌. 2. 108-109 (1988)
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[Publications] 堀田宏巳,小宮山彌太郎,関根弘: "Osseointegrated implantにおけるFixtureの被圧変位性について(第5報)" 日本口腔インプラント学会誌. 1. 319 (1987)