1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01571085
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
幸地 省子 東北大学, 歯学部附属病院, 講師 (30005045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯野 光喜 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (50212717)
猪狩 俊郎 東北大学, 歯学部, 助手 (10142994)
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Keywords | 二次骨移植 / 海綿骨細片移植 / 口唇・口蓋裂 / 顎裂 / 自家骨移植 |
Research Abstract |
顎裂への二次新鮮自家腸骨海綿骨細片移植の予後について検討した。 1.術後1年を経過した症例を対象として,骨架橋形成の良否を評価し,それにどのような背景要因が係わるかを検定した。結果は以下の通り。 1)骨架橋形成が良好であったのは、60.9%,不良例は39.1%であった。 2)骨架橋形成の良否には,裂型,年齢,および顎裂の大きさをという要因が係わっていた。しかし,性,および犬歯萌出の有無はこれには関与していなかった。 3)骨架橋形成の良否に係わっていた3つの要因のうち,最も関連が深かった要因は裂型であった。すなわち,片側を口唇顎裂で骨架橋形成良好例が最も多く,ついで両側性口唇顎裂,さらに片側性口唇口蓋裂であり、両側性口唇口蓋裂で良好例が最も少なかった。 2.術後2年および5年のX線写真があり,しかも術後5年の臨床所見がある症例を対象として,形成された骨架橋が変化するか否か,また,術後5年でどのような臨床上の問題があるかを検討した。 1)形成された骨架橋には,術後5年でも変化は見られなかった。 2)顎裂歯槽部歯肉に切れ込みのある例が47.6%であった。また,歯槽の高さが健常部よりも低い例が24.4%であった。 3.術後4年を経過した口唇・口蓋裂成人例を対象として,二次骨移植を成人に適応した場合の予後と矯正治療上の問題について検討した。 1)術後4年を経過しても移植骨の改造変化が完了していないものが30%余りあることが明らかとなった。 2)移植骨部へ歯を移動して歯根吸収が認められた例があった。これには,顎裂に隣接する歯の歯周組織が術前すでに障害されていること,また,海綿骨細片が歯の移動に十分な程度顎裂に充填されていない上に,骨改造が遅いことが係わっていると考える。
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[Publications] 幸地 省子ら: "顎裂への二次自家腸骨海綿骨細片移植の予後 骨架橋形成の良否について" 日本口腔外科学会雑誌.
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[Publications] 幸地 省子ら: "顎裂への二次自家腸骨海綿骨細片移植の予後 骨架橋形成の変化について" 日本口蓋裂学会雑誌.
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[Publications] 幸地 省子ら: "口唇・口蓋裂成人例に行った二次骨移植の予後" 日本口蓋裂学会雑誌.