1989 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄地方における口腔癌の頚部リンパ節転移に関する研究
Project/Area Number |
01571099
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山城 正宏 琉球大学, 医学部, 教授 (90045237)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富島 修 琉球大学, 医学部, 助手 (20192213)
|
Keywords | 沖縄県 / 口腔癌 / リンパ節転移 / 臨床病理学 / 転移率 |
Research Abstract |
口腔癌の頚部転移は患者の予後を左右する重要な因子がある。本研究は今後の治療成績の改善をはかることを目的として、原発巣の悪性度と所属リンパ節転移を臨床病理学的に検索し、比較検討を行った。対象は1973年9月より1988年6月までの過去15年間に当科を受診した138例の扁平上皮癌症例である。内訳は頚部郭清術を施行した100例と原発巣に対する治療のみで、1年以上局所再発と後発転移を認めない38例である。 138例中、リンパ節転移の認められた症例は56例で、その5年累積生存率は52.4%で、これに対し、転移の認められない症例群では90.8%であった。以下、転移の認められた56例についてみると、原発部位と転移率との関連では、口峡咽頭部と舌を原発とする症例群でそれぞれ、50%と44.2%の高い転移率を示していた。UICCのレベル分類に従って転移部位を検索した結果、56例中32例がレベルIにみられ、以下、レベルII、III、IVの順で転移がみられた。とくに、舌と口峡咽頭原発症例ではレベルIIへの転移が、また、下顎歯肉と口底原発症例ではレベルIへの転移が多く認められた。腫瘍の大きさとの関係では、T2とT4症例が50%の高い転移率を示していた。発育様式では内向性発育型で47.1%、外向性発育型では34.3%の転移率であった。分化度との関係では、高分化型で27.8%であったのに対し、低分化型では66.7%と高い転移率であった。核分裂像(光顕200倍視野における)の数が5以下の症例で28.2%の転移率があったが、11以上の症例では68.8%の高い転移率であった。癌細胞浸潤様式(山本、小浜の分類1981年)でみると、1型から4D型になるに従い転移率は高くなる傾向を示した。なお、単核細胞浸潤度との関連では明らかな傾向は認められなかった。 本研究の要旨は第13回日本頭頚部腫瘍学会(1989年7月1日、大阪)にて発表した。
|
Research Products
(1 results)