1990 Fiscal Year Annual Research Report
口腔領域腫瘍組織のSOD及びカタラ-ゼ活性に関する研究
Project/Area Number |
01571101
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Research Institution | Showa university |
Principal Investigator |
桜田 重世 昭和大学, 歯学部, 講師 (00112730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 正泰 昭和大学, 歯学部, 講師 (50193743)
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Keywords | 腫瘍株細胞 / 抗腫瘍剤 / ス-パ-オキサイドディスムタ-ゼ / カタラ-ゼ / ス-パ-オキサイド / ブレオマイシン |
Research Abstract |
活性酸素の消去酵素であるsuperoxide dismutase(SOD)およびカタラ-ゼは種々の組織に存在し、活性酸素の毒性から組織を保護していると考えられている。近年、bleomycin(BLM)やantracyclinなどある種の抗腫瘍剤は、細胞の活性酸素産生を増強する事により抗腫瘍効果を示す事が報告されている。そこでわれわれは抗腫瘍剤が腫瘍細胞の活性酸素産生に及ぼす影響およびそのメカニズムについても検討を行った。 腫瘍細胞は、当教室で樹立し継代維持している口腔扁平上皮癌由来のNA細胞およびHeLa S3細胞を用いた。用いた抗腫瘍剤はBLM、mitomycin C、cisplatinおよび5ーfluorouracilで、これらの抗腫瘍剤を添加するといずれもSOD活性の上昇がみられた。一方、カタラ-ゼ活性については上昇はみられず、むしろ減少する傾向を示した。そこで、抗腫瘍剤によりSOD活性が上昇するメカニズムについて検討した。まず、抗腫瘍剤によるSOD活性の上昇が細胞の代謝に関与するか否かについて検討を行った。すなわち、NA細胞にNaFおよびKCNを添加し、さらにBLMを加えた。その結果、KCNを添加するとSOD活性の上昇はみられず、NaFを添加するとBLMのSOD上昇効果を促進する傾向がみられた。また、NaF単独でも腫瘍細胞のSOD活性は若干上昇した。次に、培養細胞をホモジネ-トし、その上清をDEAE sepharoseカラムにて分離したところ、SOD活性を抑制する分画の存在が確認された。以上の結果より、抗腫瘍剤によるSOD活性の上昇は、細胞の代謝が阻害され、おそらく細胞内のSOD代謝における排泄あるいは不活化が阻害されたか、あるいはSOD抑制物質の増加によるものと思われた。
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Research Products
(1 results)