1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01571106
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山崎 博嗣 東京歯科大学, 歯学部(オーラルメディシン講座), 講師 (60085909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 嘉夫 東京歯科大学, 歯学部(内科), 教授 (40051750)
川島 康 東京歯科大学, 歯学部(オーラルメディシン講座), 教授 (10085722)
佐野 浩 東京歯科大学, 歯学部(オーラルメディシン講座), 助手 (50147261)
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Keywords | 有病者 / 歯科治療 / 生体反応 / 循環動態 / 自律神経 / 精神鎮静法 / 局所麻酔 |
Research Abstract |
有病者で歯科治療が必要な症例とくに循環器系疾患を合併している高齢者に対して、局所麻酔を伴う歯科治療を行った際の生体反応を自律神経を背景とした循環動態および内分泌動態の両面から、非侵襲的な方法で観察し、有病者の歯科治療指針作成の基礎的資料にすることを本研究の目的にし、検討した結果、以下のような知見が得られた。1.術前検査の結果では、眼底検査、PSP、血色素量、中性脂肪に異常所見を示す割合が多かった。2.ジアゼパム静脈内鎮静法、笑気吸入鎮静法を用いたが、重大な副作用は認められなかった。しかし、高齢者に対する投与量、投与方法については、一般成人とは異なるべきと思われた。3.収縮期血圧の変動は、局所麻酔単独例では、処置に伴って上昇する傾向が認められ、ジアゼパム静脈内鎮静例では、処置直前より下降傾向を示し、そのまま処置を終了する症例が多かった。笑気吸入鎮静例では、上昇するものと下降するものとが存在し、一定の傾向は認められなかった。4.分時心拍数の変動は、精神鎮静法応用例では、処置直前に比べ下降傾向を示す症例が多かった。また、変動域をみると、心房細動症例で、局所麻酔単独の場合に大であった。5.歯科外来における循環器系疾患を合併している高齢者に対する歯科処置時の管理としては、術前の諸検査、術中の血圧、心拍数などの監視、さらに術後の経過観察が必要で、既往歴、合併症の病態把握のみならず、術当日の患者の体調にも注意すべきであると考えられた。6.同時に測定した血漿中カテコラミン濃度の観察では、局所麻酔薬中に含まれているものの血漿中への影響は認められなかったが、循環動態の変化と血漿中カテコラミン濃度との直接的関連性は未だ不明である。
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[Publications] 山崎博嗣,他: "循環器系疾患を有する高齢者(75歳以上)の歯科処置時の管理について" 老年歯科学会誌. 3. (1990)
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[Publications] 山崎博嗣,他: "歯科処置時の不快症状発現に関する検討" 日本口腔診断学雑誌. 2. 276-277 (1989)
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[Publications] 佐野浩,他: "高齢者(75歳以上)の局所麻酔下の歯科処置時における循環動態について" 日本口腔診断学雑誌. 2. 277 (1989)
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[Publications] 道脇健一,他: "歯科領域における24時間心電計の応用について" 日本口腔診断学雑誌. 2. 278 (1989)
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[Publications] 道脇健一,他: "歯科領域における24時間心電計の応用について" 日本歯科麻酔学会誌. 18. 179 (1990)