1990 Fiscal Year Annual Research Report
全身麻酔が血清ミオグロビン値・CPK値に及ぼす影響
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01571110
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
野口 いずみ 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (60103545)
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Keywords | ミオグロビン / CPK / 小児麻酔 / ハロセン / エンフルレン / チオペンタ-ル / リドカイン / ミオグロビン血症 |
Research Abstract |
小外科手術を受ける小児75名を対象として、サクシニルコリン(SCC)1mg・kgー1静脈内投与後の血中ミオグロビン(Mb)値とクレアチンフォスフォキナ-ゼ(CK)値の変動について検討した。対象を7群にわけ、HS群、ST2群、ST4群、SL群の5群では緩徐導入後にSCClmg・kgー1を静脈内投与して気管内挿管を行い、笑気・酵素・ハロセンで導入と維持を行った。さらに、SCC投与前に、ST2群ではチオペンタ-ル2mg・kgー1、ST4群ではチオンペンタ-ル4mg・Kgーl、SL群ではリドカイン2mg・kgー1を投与した。ES群ではSCC1mg・kgー1を静脈内投与して気管内挿管を行い笑気・酸素・エンフルレンで導入と維持を行った。H群とE群ではSCCを投与せずに気管内挿管を行ない、H群では笑気・酸素・ハロセン、E群では笑気・酸素・エンフルレンを用いて導入と維持を行った。SCC投与群では投与前に、無投与群では気管内挿管1分前に1回目の採血を行い対照値とし、SCC投与5分、20分、60分後の計3回、無投与群では気管内挿管後3分後を5分後と同じたイミングとみなし計3回採血した。血液は血清分離後凍結し、MbはRIA法により測定し、CKはロザルキ-変法にて測定した。 その結果、HS群とES群では両値は著明に上昇し、60分後の平均値はそれぞれ、約2000ng・mlー1と約180IU・lー1であったが、H群とE群では両値の著明な上昇はみられなかった。ST2群とSL群では両値の上昇は影響されなかったが、ST4ではSH群に対してMbが約3/10倍、CKが3/5倍の値を示し、上昇は抑制された。以上の結果から、MbとCK値の上昇は主としてSCC投与によるものであり、チオペンタ-ル4mg・kgーlの投与は上昇を抑制させるが、チオペンタ-ル2mg・kgー1は抑制効果がないものと考えられた。また、リドカインは一時悪性高熱症の患者に禁忌とされてきたが、少なくともMbの血中への遊出を促進させる効果はなく、ミオグロビン血症の患者に安全に使用出来る可能性が示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 野口 いづみ,鈴木 玄一,高 日和,日山 敦子,雨宮 義弘,川村 尚也: "小児におけるサクシニルコリン投与の有無が血清ミオグロビン値とCK値に及ぼす影響ーハロセンとエンフルレン麻酔における検討" 麻酔. 39(9). 1198-1205 (1990)
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[Publications] 野口 いづみ,鈴木 玄一,笹尾 真美,雨宮 義弘,川村 尚也: "導入時のリドカイン静脈内投与が塩化スキサメトニウムによる血清ミオグロビン値とCK値の上昇に及ぼす影響" 日本歯科麻酔学会雑誌. 18(3). 506-512 (1990)
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[Publications] 野口 いづみ: "SCC静脈内投与による血中ミオグロビン値の変化" 悪性高熱研究の進歩XIV(麻酔と蘇生第23巻). 14. (1991)