1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01571127
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
片山 剛 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (00001967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 文恵 岩手医科大学, 歯学部, 助手
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Keywords | 3歳児健康診査 / 乳歯齲蝕 / 母子保健水準 / 母子保健指標 / 地域格差 / 多変量解析 / 齲蝕地理疫学 |
Research Abstract |
3歳児齲蝕有病者率は近年減少傾向にあるものの、他の母子保健指標とは異なり,依然として著しい地域格差を示している。本研究では3歳児齲蝕有病者率を地域の母子保健水準の評価に適用し得るか否かを検討した。 昭和50年度、昭和55年度および昭和60年度の人口、産業、経済、教育、分化、医療、保険などに関する都道府県別社会特性指標から、全国47都道府県の地域特性を最も適切に説明しうる共通因子を因子分析により抽出し、得られた因子得点を変数としたクラスタ-分析から、47都道府県を「都市」、「都市化されつつある農村」、「農村」に分類した。また、各年度毎の47都道府県別3歳児齲蝕有病者率、乳児死亡率と当該年度において抽出された共通因子の因子得点との相関分析を行い、それぞれの健康水準に関わる因子を推定した。 その結果、昭和50年度から昭和60年度にいたる10年間に、人口転換が急速に進み、都市と農村を分ける尺度として人口構造および産業構造因子が力をもつようになり、都市と農村の人口構造の格差が拡大し、一方では、都市周辺の農村地域が都市化されつつあることが示された。「都市」に分類された都道府県は10年間ほとんど変動せず、3歳児齲蝕有病者率、乳児死亡率は共に他の地域と比較して低かった。一方「農村」に分類された県では、齲蝕有病者率は10年間を通じ、高い値を示す傾向にあったが、乳児死亡率は昭和50年度のみで高い値を示し、昭和60年度になると他の地域との大きな差は認められなくなった。このことは、齲蝕有病者率、乳児死亡率とも各年度を通じて「都市」因子と強い負相関を示しているのに対して、「農村」因子との相関は乳児死亡率では年々弱くなり、昭和60年度ではほとんど無相関になったことと符号していると考えられる。本研究の結果、乳児死亡率の地域格差の解消にともない、3歳児齲蝕有病者率が母子保健指標として適用されうる可能性が示された。
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Research Products
(2 results)