1989 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨形成及び咀嚼筋機能の定量化による相互関係の把握
Project/Area Number |
01571128
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
平出 隆俊 昭和大学, 歯学部, 助教授 (80129866)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水畑 明 昭和大学, 歯学部, 助手 (50187473)
鮎瀬 節子 昭和大学, 歯学部, 助手 (40175683)
柴田 恭典 昭和大学, 歯学部, 講師 (50138400)
柴崎 好伸 昭和大学, 歯学部, 教授 (40014005)
福原 達郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (50013834)
|
Keywords | soft food / 咀嚼筋 / 筋線維タイプ / 下顎骨 / ATPase染色 |
Research Abstract |
本研究の目的は、顎顔面、特に下顎骨の成長・発育における筋機能の影響を調べるために、ラットにストレスの少ない実験系として、軟らかい食餌(soft food)を与え、これを咀嚼する事により、顎骨および筋肉にどのような変化が生ずるかを観察することにある。顎骨には、規格軟X線撮影による形態的変化、テトラサイクリン骨標識による骨形成量観察や組織学的形態計測、CMRによる骨量計測を行う。また、筋肉(咀嚼筋)には、凍結切片上でのATPase染色・NADH-tr染色による筋線維typeの観察を行う。 今年度は、各種の予備実験の後、平成元年11月より、4種類の硬度の異なる飼料をラットに与え本実験を開始した。4種類の飼料は、A;通常のラットの飼育に用いるオリエンタル酵母社製ラット飼育用飼料MF、B;MFと同一成分ではあるが加工時の圧縮加重が少ないため脆くなっている飼料、C;MFと同一成分であるが粉末のままの飼料、D;自作のMFと同一の精製成分を水で練りスポンジ状に固めた飼料、である。現在、5、7、9、12、16週齢で屠殺(各飼料6匹ずつ)し、咀嚼筋(咬筋、側頭筋、内側翼突筋)・下顎骨を採取した。以下にそれにより得られた知見を述べる。なお、各デ-タは現在統計処理中である。 1.体重について:A、Bでほぼ同様の体重増加を示し、Dで若干多く、Cで若干少ない。 2.顎骨形態について:Aに比して、B、C、D共に下顎骨厚径の減少、下顎枝の短小化、下顎角部の縮小化、筋突起部の縮小化、下顎頭頚部の脆弱化が認められた。 3.筋肉について:Aに比して、B、C、D共に筋線維径の減少、筋線維typeの比率の変化、等が認められた。咀嚼筋の部位により、その変化の程度は異なるようである。
|