1989 Fiscal Year Annual Research Report
修飾オリゴヌクレオチドの合成とRNaseH基質認識部位の探索
Project/Area Number |
01571134
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 英夫 北海道大学, 薬学部, 助手 (80088856)
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Keywords | 大腸菌RNaseH / RNA・DNAハイブリド / 光親和性標識 / 反応性デオキシオリゴヌクレオチド / クロスリンキング / 基質認識部位 |
Research Abstract |
大腸菌RNaseHの光親和性標識を行うために、フェニルジアジリン誘導体が5'末端にリン酸ジエステルを介して結合したデオキシオリゴヌクレオチド(5'-GTCATCTCCー3')を合成した。この反応性オリゴマ-と相補的RNA9merハイブリドとRNaseHを混和し、0℃、15分間光照射(365nm)を行うと、DNAと酵素のクロスリンク体の生成が認められた。大過剰の試薬による反応でも、新たなバンドが観察されないことから、反応は特異的であることが示唆された。しかし未修飾ハイブリド共存下での光照射では反応の阻害は認められなかった。この修飾基質の難点は光照射の条件において、酵素による加水分解を受けやすいことであるが、この問題は後述するように克服可能であった。クロスリンク体と未反応酵素およびオリゴヌクレオチドの分解は、ゲル濾過のHPLCで行うことができた。現在、クロスリンク体のリジルエンドペプチダ-ゼによるペプチド断片化と逆相HPLCによる分析が進行中である。本研究ではその他いくつかの光活性型デオキシオリゴマ-の合成を行った。その中で、前述の配列の5番目Tを2'位にフェニルジアジリン誘導体が結合したウリジン(u^^*)に置換したオリゴマ-において、そのリボ鎖ハイブリドは酵素による加水分解に抵抗することが示され、またリボ鎖き切断点はu^^*に対応する部位1ヶ所であることが判った。さらに未修飾基質によるクロスリンキングの阻害が観察された。このオリゴマ-のクロスリンク体の調製も予定されている。当初の計画にあった2'-0-チルオリゴマ-が結合した光活性型デオキシオリゴマ-を用いる研究には到っていないが、これは今後の研究成果に基づいて検討したい。 来年度は修飾ペプチド断片の同定を行い、RNaseHの基質認識部位を解析する予定である。
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