1991 Fiscal Year Annual Research Report
キラルエポキシアルコ-ルの分子内環化反応を利用するシクロペンタンマクロリドの合成
Project/Area Number |
01571137
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
畑山 範 東北大学, 薬学部, 助手 (20143000)
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Keywords | Sharpless不斉エポキシ化 / アリルシラン / 抗生物質 / マクロリド / キラル置換シクロペンタン / Hybridialactone / Ecklonialactone A / (R,R)ー3,4ージヒドロキシメチルシクロペンテン |
Research Abstract |
平成元年度および2年度において、幅広い一般性を持つ置換シクロペンタン化合物のキラル合成法を開発し,それを利用するブレフェルヂン類シクロペンタンマクロリド抗生物質の合成に成功した.平成3年度においては,さらに本法の有用性を示す目的で,合成化学的にも薬理学的にも興味が持たれるhybridialactoneおよびecklonialactone Aの合成を検討した.まず,ラセミのエピクロロヒドリンより出発し,アセチリドの付加,還元,Sharpless不斉エポキシ化反応等を経てエポキシアリルシラン体に導き,上述の置換シクロペンタン構築法を適用し1,2,4ー三置換シクロペンタン誘導体を得た.ついでこのものより,1位および2位置換基のヒドロキシメチル基への変換,4位アルコキシ基を足場とするオレフィン形成を順次行い,重要合成前駆体の一つである(R,R)ー3,4ーヒドロキシメチルシクロペンテンを合成出来た.しかしながら,続く分子内エ-テル化を利用する3位ヒドロキシメチル基の選択的保護が非常に困難であり,立体選択的に(1S,2R,3S,4R)ー3ーアセトキシメチルー4ーヒドロキシメチルー1,2ーエポキシシクロペンタンを得ることが出来ず,現在のところ当初の計画に従った両マクロラクトンの合成を達成するまでには到っていない.
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