1989 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍生セファロタキサスアルカロイド及び関連化合物の合成
Project/Area Number |
01571147
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
花岡 美代次 金沢大学, 薬学部, 教授 (80028844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向 智里 金沢大学, 薬学部, 助教授 (70143914)
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Keywords | セファロタキサスアルカロイド / 抗腫瘍性アルカロイド / セファロタキシン / セファロタキシンアミド / ピロロベンツアゼピン / 立体選択的合成 / カケオン閉環反応 / ヨ-ドソベンゼン |
Research Abstract |
1.アミノ酸のプロリンを窒素源として活用し、フェニル酢酸クロリドとの縮合、ポリリン酸を用いる閉環反応により、セファロタキサスアルカロイドのABC環に相当するピロロベンツアゼピン骨格の新しい合成法を開拓した。 2.O-アリル化により得られるエノ-ルエ-テル体のクライゼン転位反応による核間位へのアリル基導入を経由して、硫酸触媒のカチオン閉環反応による5員環融合法を達成し、D環の構築に成功した。ここに、セファロタキサスアルカロイドの特異な4環性骨格(ABCD環)の新規合成法を開拓することができた。 3.かさ高い酸化試薬であるヨ-ドソベンゼンによる酸化反応を応用し、D環に位置並びに立体選択的に小酸基を導入する方法を開発した。 4.上記反応を駆使して、主アルカロイドのセファロタキシンの全合成を完成させた。また、A環のメチレンジオキシ基をジメトキシ基に代えたセファロタキシン類縁体の合成にも成功した。 5.本合成法を準用し、プロリンのオキソ体であるピログルタミン酸を出発原料にして、5員環ラクタム構造を有する副アルカロイドのセファロタキシンアシドの金合成に成功し、本合成法の有用性を確立した。 6.セファロタキシンアシド合成に際し、ラクタムのカルボニル基の位置の相違に基づく、コンホメ-ションの違いにより、ヨ-ドソベンゼン酸化の位置選択性がかなり影響されることが判明した。これを利用して、小酸基の位置異性体の合成も行った。
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Research Products
(2 results)