1989 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロン核種^<18>F標識生理活性ヌクレオシドの開発
Project/Area Number |
01571193
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石綿 喜一 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 助手 (50143037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 俊博 東北大学, サイクロンラジオアイソトープセンター, 助手 (70143039)
岩田 錬 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 助手 (60143038)
井戸 達雄 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 教授 (80134063)
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Keywords | ^<18>F標識化合物 / フルオロデオキシウリジン / ポジトロン断層法 / 癌診断 / 実験腫瘍 |
Research Abstract |
ポジトロン断層法による腫瘍診断用のトレ-サとしてこれまで我々が開発してきたF-18標識で-deoxy-5-flurouridine(^<18>FdUrd)の、癌患者における代謝を明かにした。^<18>FdUrd投与後1時間までの血漿中の代謝物をHPCLにより分析した。代謝分解速度は極めて早く、初期にはfluorourail,次いで5,6-dihydroxyfluouraci,更にα-fluoro-β-alanine等の割合が急速に増加した。また、代謝速度に個人差や、投与量依存性が示唆された。血漿中の代謝デ-タを考慮して、ポジトロン断層法により測定した脳腫瘍への^<18>FdUrdの集積をPatlak解析したところ、トレ-サの不可逆的集積が明らかになった。以下の基礎実験の結果と合わせて考えると、^<18>FdUrdによる診断法は、癌組織の核酸代謝の違いを定量的に判断する新しい診断法となることが明らかになった。 ^<18>FdUrdの腫瘍への集積の意義を、5種の実験腫瘍を移植したラットとマウスを用いて検討した。^<18>FdUrdと増殖能の指標として^3H-Thymidineを同時投与して腫瘍への集積を比較した。両者の集積に必ずしも相関性は認められなかったが、Lewis Lung carcinomaの転移癌モデルと原発性癌モデルでは、両トレ-サともに転移癌に有意に高く摂取された。また、腫瘍組織内での^<18>FdUrdの代謝産物としてはfluorouracil、FdUMP-Thymidylate synthetase複合体のほかに、5-fluorouridine,FUMP,di-,trinucleotidesおよびRNAが認められた。血漿中の代謝物は、ヒトでの分析結果とほぼ同様であった。主要代謝物のα-fluoro-β-alanineの腫瘍への集積の寄与を、^3H-β-alanineの集積で評価したところ、^<18>FdUrdに対して最大で10%程度と見積もられた。主要設備のフラクションコレクタ-およびカラム類は、ヒト血漿および実験腫瘍等での代謝物の分析に使用された。新規標識化合物としてadenosineおよびguanosineの^<18>F-acetylhypofluoriteによる標識化等を検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Ishiwata et al: "Radiotracers for difterentinl in vivo diagnosis of tumor metabolisms."
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[Publications] K.Ishiwata et al: "Pharmacokinetics of 2^'-deoxy-5(^<18>F)fluorouridine in human plasma"