1990 Fiscal Year Annual Research Report
発がん性かび毒による食品および生薬汚染のモニタリングに関する基礎研究
Project/Area Number |
01571199
|
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
酒井 立夫 富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (90019109)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹部 幸子 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (20135031)
小橋 恭一 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (80019108)
|
Keywords | アフラトキシン / アフラトキシン産生菌 / 植物性生薬 / アフラトキシン汚染 / 牡丹皮 / ペオノ-ル |
Research Abstract |
主要植物性生薬62種についてアフラトキシン産生菌の成長と毒素産生の可能性を調べたところ、10種では活発な菌の成長と著量の毒素産生がみられ汚染されやすいことが明らかになり、モニタリングに当って重視すべきものと推察された。しかし、他の多くの生薬では菌の成長あるいは毒素産生の状況から汚染されにくいと考えられ、その一因として阻害成分の影響が予想されたので検討した結果、 1.菌を接種してよく成長しなかった生薬のうち15種について検討したところ、各メタノ-ル可溶画分に強い阻害活性がみとめられ、牡丹皮ではペオノ-ルを、厚朴ではマグノロ-ルとホ-ノキオ-ルを活性成分の一つとして確認した。これらの成分について合成基質粉末培地を用いる方法で阻害作用を検討した結果、強い阻害活性を示し、牡丹皮と厚朴にみられる顕著な阻害作用に深く関与していることが明らかになった 2.菌はよく成長するがアフラトキシン産生がみとめられないかまたは微量であった生薬のうち10種について検討したところ、各メタノ-ル可溶画分に毒素産生阻害活性がみとめられ、黄柏と黄連の場合はベンベリンを、甘草の場合はグリチルレチン酸を阻害成分の一つとして確認し、これらは黄柏や黄連、甘草にみられる阻害作用と同様の作用を示した。 3.蘇葉ではアフラトキシン産生についてB群に顕著な促進、G群に顕著な阻害という二面性の特異な作用がみられた。この活性は精油成分に存在し、精油成分の一つであるジルアピオ-ルに強い活性がみとめられエレミシンにも弱い活性がみとめられた。この特異作用は飼料防腐剤エトキシキンにもみられることが報告されているが、天然物成分に見出されたのはこれが最初であり、アフラトキシンの生合成の研究において有用であると考えられる。厚朴成分のマグノロ-ルにも弱い作用がみとめられた。
|
Research Products
(1 results)