1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01571205
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
早津 彦哉 岡山大学, 薬学部, 教授 (10012593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 友恵 岡山大学, 薬学部, 非常勤講師 (80116491)
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Keywords | 近紫外光(UVA) / Genotoxicity / キイロショウジョウバエ / 8-Methoxypsoralen / 翅毛スポットテスト / DNA repair test / 除去修復 / 複製後修復 |
Research Abstract |
紫外光より皮膚を通過しやすいと考えられる近紫外光(UVA:320-400nm)の変異原性及びDNA傷害作用についてショウジョウバエを用いて調べた。また8-methoxypsoralen(8-MOP)は白斑など皮膚病の治療にUVAと共に用いられているが、反復投与により皮膚癌を起こすことが知られている。そこで経口摂取した8-MOPとUVAの変異原性及びDNA傷害作用について調べた。変異原性の検出には翅毛スポットテストを用い、翅毛に現われる体細胞突然変異を観察した。DNA傷害作用は、除去修復能、複製後修復能の両者を欠くmei-9^amei-41^<D5>株、前者を欠くmei-9^a株、後者を欠くmei-41^<D5>株を用い、雄雌の性比の減少により検出した。3令幼虫とショ糖溶液の入ったシャ-レに、波長320ー400nm、4〜5W/m^2の強さの光を照射した。8-MOPの共同作用を見る時はこのショ糖液に8-MOPを添加した。対照群として非照射の場合は暗所に置いた。15hr UVA単独照射ではsmall single spots/wingは1.61、Large single spots/wingは0.24、Twin spots/wingは0.07で、非照射時の0.73、0.08、0.03と比べて弱いながら変異原性が見られた。この変異原性は8-MOPの添加で大きく増強され、特にTwin spotの増加が著しく、染色体組換えが高頻度に起っていることが示された。除去修復能を欠いた変異株(mus201)でも野生株と同様の変異原性が見られた。DNA傷害作用は8-MOP共存下UVA照射により、いづれの株でも検出された。27μM8-MOP存在下UVA9hr照射で雄雌の比は、mei-9^amei-41^<D5>株で0.07、mei-9^a株で0.5、mei-41^<D5>株で0.6であった。これに対し、8-MOP単独では性比のひずみはなかった。よってこの時できるDNA傷害は除去修復及び複製後修復の両方で修復される傷害が起っていると考えられる。またUVA単独照射の時は、22hrまでDNA傷害作用は検出されず、変異原性との間に相関性がなかった。このことはUVA単独によるDNA傷害がmei locus依存性の修復を受けるものではないことを示唆している。
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