1989 Fiscal Year Annual Research Report
血中アセチルコリン(ACh)の測定とその生理的意義の解明
Project/Area Number |
01571223
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Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
川島 紘一郎 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (70095008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大畑 尚代 共立薬科大学, 薬学部, 助手
藤本 和子 共立薬科大学, 薬学部, 助手
鈴木 岳之 共立薬科大学, 薬学部, 講師 (90187740)
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Keywords | 血漿アセチルコリン含量 / ラジオイムノアッセイ / アセチルコリン遊離 / 血球アセチルコリン含量 / アセチルコリン産生 |
Research Abstract |
我々は独自に開発したアセチルコリン(ACh)の高感度ラジオイムノアッセイ(RIA)を用いて、血漿中に微量のAChが存在することを発見した。血漿AChは局所で血管内皮細胞上のムスカリン受容体に作用して血流の調節に関与している可能性が考えられる。そこで血漿AChの由来を解明するこめの研究を実施した。 a.家兎におけるニコチン(Nc)刺激による血中AChの変化の検討 RIAを用いてAChを測定したところ、家兎の血球成分中には血漿の約25倍のAChが存在することが発見された。次に家兎の血漿コリンエステラ-ゼを部分的に抑制した状態で、Ncを静脈内投与して時間経過を追って採血し、血漿および血球成分中に含まれるAChの変化を測定した。コリンエステラ-ゼ阻害薬のみを投与した対照群では、血漿および血球成分中のACh濃度の変化は観察されなかった。他方、Ncの静脈内投与は血漿AChの上昇と血球成分中のACh濃度の低下を引起こした。これらの結果は、血球成分中に存在するAChが血漿の起源となっており、刺激により遊離されることを示している。AChは神経伝達物質としてのみならずオ-タコイド様の作用もする可能性が考えられる。 b.培養血管内皮細胞におけるACh産生能の検討 血管内皮細胞中にACh産生酵素の存在が示唆されている。今回購入した炭酸ガス培養器を用いて、ウシ大動脈血管内皮細胞を無血清培地で培養できる条件の検討を行なった。その結果、見込みのある条件が発見された。また予試験的測定において、内皮細胞がAChを合成し培養液中に放出するデ-タが得られている。
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