1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01571224
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
百瀬 和亨 昭和大学, 薬学部・薬理学教室, 教授 (80004597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大幡 久之 昭和大学, 薬学部・薬理学教室, 助手 (00119166)
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Keywords | 平滑筋 / 単離細胞 / コラゲナ-ゼ / パパイン / Gpp(NH)p / ^3H-QNB / モルモット / 回腸縦走筋 |
Research Abstract |
平滑筋組織の収縮機構解明には、従来より出来るだけ無傷の状態で摘出した組織標本が使用されてきた。しかし、平滑筋組織は複雑、またそれを構成する筋細胞の生理・薬理学的性質が必ずしも均一とは言えない。そのため、組織標本を用いる限り得られる情報が必ずしも筋細胞固有の性質を反映しているとは言えない。そこで、単離した平滑筋細胞を用いてその収縮機構解明を試みた。研究材料には、モルモット回腸縦走筋を用いた。 単離細胞の調製には、コラゲナ-ゼ処理する方法が一般に用いられているが、その得量が低いため種々検討した結果、コラゲナ-ゼ(天野製薬製)処理の際に、パパイン(シグマ社製)を共存させると得量が著しく増大することがわかった。同時に、カルバコ-ルに対する感受性も増大し、組織標本でのED_<50>値がマイクロモルレベルであるのに対し、パパイン共存下で調製した場合はその値がナノ〜ピコモルレベルであった。なお、この高い感受性は、Gpp(NH)p添加により低下した。単離した細胞のアゴニストに対する親和性を^3H-QNBを用いて検討した結果、KD値が0.12X10^<-10>Mおよび4.56X10^<-10>Mの2種類の結合部位が示唆された。なお、それぞれのB_<max>は、21.9fmoles/10^4cellsおよび180.9fmoles/10^4cellsであった。Gpp(NH)p添加共存下では、結合部位は1種類となり、そのKD値は0.23X10^<-10>Mで、B_<max>が33.4fmoles/10^4cellsであった。 細胞単離の際に、強力なプロテア-ゼ活性を持つパパインを用いると、細胞得量が増大するとともに細胞膜が損傷して、ムスカリン受容体に何等かの変化が生じたものと考える。なお、Gpp(NH)p添加によりアゴニストに対する感受性および親和性が変化することから、パパイン処理による感受性の増大は受容体・G-タンパクとc-GMPとのカップリング状態に起因すると考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 百瀬和亨: "モルモット瞳孔括約筋の単離平滑筋細胞の調整法ーCollagenaseの検討ー" あたらしい眼科. 6. 589-591 (1989)
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[Publications] Ikuo Maruyama: "Loading of Fura-2/AM with an Aid of DFP on Single Smooth Muscle Cells Prepared from Guinea Pig Taenia Coli" Jounal of Pharmacological Methods. 21. 1-12 (1989)
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[Publications] Kazutaka Momose: "Changes in Contractile Responses of Single Smooth Muscle Cells to Agonists" Journal of Pharmacobio-Dynamics. 12. s-115 (1989)
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[Publications] Ikuo Maruyama: "Effects of Pluronic F-127 on Loading of Fura-2/AM into Single Smooth Muscle Cells Isolated from Guinea Pig Taenia Coli" The Journal of Toxicological Sciences. 14. 153-163 (1989)
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[Publications] Kazuko Ohtsuka: "Differences in QNB Binding between Freshly Isolated and Cultured Single Cells Prepared from Longitudinal Smooth Muscle of Guinea Pig Ileum" The Japanese Journal of Pharmacology. 49. 282 (1989)