1990 Fiscal Year Annual Research Report
新規異物代謝反応機構の解明ーアルデヒド基のカルボン酸体への酸化反応
Project/Area Number |
01571227
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
山本 郁男 北陸大学, 薬学部, 教授 (50069746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 民秀 北陸大学, 薬学部, 助手 (40209581)
成松 鎮雄 北陸大学, 薬学部, 助手 (20113037)
渡辺 和人 北陸大学, 薬学部, 助教授 (30113038)
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Keywords | シトクロムP450 / アルデヒド / カルボン酸 / オキシゲナ-ゼ / 酸素ー18 / 11ーoxoーΔ^8ーTHC / Δ^8ーTHCー11ーoic acid / アルデヒドオキシゲナ-ゼ |
Research Abstract |
我々の研究グル-プは、これまでに動物肝ミクロゾ-ム中にアルデヒド類を酸素添加反応により対応するカルボン酸へと酸化する酵素Microsomal Aldehyde Oxygenase(MALDO)の存在を明らかにしている。前年度は雄マウス肝ミクロゾ-ムよりMALDO活性を有するアイソザイム、シトクロム450MUTー2を精製し、その性質について一部明らかにし報告した。本年度はミクロゾ-ムあるいは精製酵素を用いて以下の点を解明した。 1)マウス肝MALDOは2ーoctenal,2ーnonenal,2ーdecenal,2ーundecenal等の脂肪族アルデヒド類も基質とする。 2)マウス肝ミクロゾ-ム中の9ーanthraldehydeに対するMALDO活性には顕著な性差が認められ、雄より雌で高い活性を示した。このことは9ーanthraldehydeを代謝するMALDOの中には性特異的なアイソザイムが含まれていることを示唆するものである。 3)シトクロムP450MUTー2はMALDO活性を有するのみならず、テトラヒドロカンナビノ-ル、カンナビノ-ル、カンナビジオ-ル等の大麻主成分の代謝に関与するマウス肝ミクロゾ-ム中の主たるアイソザイムであることが精製酵素に対する抗体を用いた実験から明らかとなった。 4)シトクロムP450MUTー2によるテトラヒドロカンナビノ-ルのアルデヒド体のカルボン酸体への酸化反応には明らかな重水素同位体効果が認められた。 5)シトクロムP450MUTー2はテストステロンやラノステロ-ル等の内因性ステロイドに対してはほとんど触媒活性を有さない。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kazuhito Watanabe: "Purification and characterization of mouse hepatic microsomal aldehyde oxygenase" J.PharmacobioーDyn.13. s95 (1990)
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[Publications] Kazuhito Watanabe: "Mouse hepatic microsomal enzyme that catalyzes oxidation of 11ーoxoーΔ^8ーtetrahydrocannabinol to Δ^8ーtetrahydrocannabinolー11ーoic acid" Drug Metab.Dispos.19. 218-221 (1991)
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[Publications] Kazuhito Watanabe: "Oxygenation mechanism in conversion of aldehyde to carboxylic acid catalyzed by a cytochrome P450 isozyme" J.Biol.Chem.266. 2709-2711 (1991)
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[Publications] 山本 郁男: "大麻成分THC,CBD及びCBNのヒトにおける代謝" 法中毒.
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[Publications] 山本 郁男: "MALDO(microsomal aldehyde oxygenase):アルデヒド基をカルボン酸へと酸化するマウス肝新規シトクロムP450アイソザイム" 生化学.