1989 Fiscal Year Annual Research Report
圧、Na利尿反応機構解明と高血圧発症、進展における役割に関する研究
Project/Area Number |
01571234
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
万代 尚史 香川医科大学, 医学部, 助手 (60208725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由良 高文 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (40200878)
長束 一束 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (70189140)
津田 能康 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (70201639)
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Keywords | 圧、Na利尿反応 / 高血圧 / enalapril / angiotensinII / prostaglandins / 腎臓 / Spontaneously hypertensive rat |
Research Abstract |
生体の重要な血圧調節機構である圧、Na利尿反応は、本態性高血圧や高血圧モデル動物では低下しており、これが高血圧発症、進展に重要な役割を果していると考えられているが、その機序については未だ明らかではない。我々はこれまでの研究から、angiotensinII(AngII)とprostaglandins(PGs)が圧、Na利尿反応の最も重要なmodulatorであり、さらに両因子の作用を体液量およびNa負荷量が規制していることを明らかにしてきたが(第31回日本腎臓シンポジウム、1988)、これら3因子による調節の異常が高血圧発症進展に寄与していると推定している。 本研究では、高血圧自然発症ラット(SHR)およびWKYラットを用い、1)圧、Na利尿反応を比較検討 2)降圧剤投与による血圧正常化による圧、Na利尿反応への影響を検討した。圧、Na利尿反応実験は片腎摘出ラットを用い、腎動脈のligation法により作製した。徐神経、副腎摘出、norepinephrine,hydrocortisone,aldosterone,vasopressin持続注入により実験中の神経性、内分泌性因子を一定にした。結果1)SHR、WKYの圧、Na利尿反応の比較検討:10週齢高血圧発症進展時期では、圧負荷により尿量(UV)、尿中Na排泄量(UNa)は増加したが、両群間に、有意差は認めなかった。圧とUV,UNaとの関係をみた圧、Na利尿(PN)勾配でも両群間で有意な差を認めなかった。2)降圧剤投与による血圧正常化による圧、Na利尿反応への影響:6週齢SHRおよびWKYラットにACE阻害剤enalapril 20mg/kgを4週間経口投与し圧、Na利尿実験を施行。SHRにおいて、enalapril投与群、非投与群とも、UV、UNaは増加したが、両群間には有意差は認めなかった。PN勾配でも両群間で有意な差を認めなかった。結論:SHRでは、高血圧発症進展時期では、圧、Na利尿反応の抑制は見られず、enalapril投与にて血圧を正常化させても圧、Na利尿反応に影響が認められない。
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