1989 Fiscal Year Annual Research Report
内因性ベンゾジアゼピリンガンドの精製・同定とその生物活性の解明
Project/Area Number |
01571259
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
久保田 和彦 東京理科大学, 薬学部, 教授 (30084411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽里 忠彦 東京都臨床医学総合研究所, 生理活性物質研究室, 主任研究員 (60109949)
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Keywords | ベンゾジアゼピン / 受容体 / 内因性リガンド / 牛脳 / 牛背髄 / 分離 |
Research Abstract |
本研究はベンゾジアゼピン受容体の内因性リガンドを探索することを目的とする。本年度は牛の脳、背髄、ヒト血漿、サル脳より目的の内因性リガンドの分離を試みた。ベンゾジアゼピンリガンドの検出には、総てマウス脳より調製したベンゾジアゼピン受容体の神経膜標本に対する(3H)Flunitrazepam(FNP)の結合解離能を指標にして行った。 1)牛脳よりベンゾジアゼピンの内因性リガンドの探索 牛脳から大脳皮質を採取し、これをメタノ-ルと共にホモジナイズし、ホモジネ-トからゲル濾過などでFNP結合解離物質の精製を試み、1mg/mlの濃度で50%FNP結合を解離するまでリガンドを濃縮したが、脂質などの妨害のためそれ以上には濃縮できなかった。 2)ヒト血漿とサル脳中から、FNP結合解離物質は検出できたが、その濃縮は十分できなかった。 3)牛背髄より内因性リガンドの探索 牛背髄を1モル酢酸で抽出して抽出液を活性炭に吸着させた。このフラクションをゲル濾過法を用いて分画してFNP結合解離能の強い分画を得た。しかし、この分画は量的には著しく少なく、目的のリガンドを同定するに至っていない。 しかし、この分画は過去に報告され、われわれの実験でも確認したジアゼパムやデスメチルジアゼパムとは異なるリガンド物質を含むことが明らかにされた。今後は大量の牛背髄を用いれば、目的とする新しいベンゾジアゼピン受容体の内因性リガンドを単離することが可能という見込みが本年度の研究結果から得られた。
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Research Products
(1 results)