1989 Fiscal Year Annual Research Report
高温プラズマからの分光スペクトルによるプラズマ診断と原子過程
Project/Area Number |
01580007
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
加藤 隆子 核融合科学研究所, 助手 (20115546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
政井 邦昭 名古屋大学, プラズマ科学センター, 助手 (80181626)
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Keywords | 分光スペクトル / プラズマ診断 / 原子過程 / He様イオン / 高温プラズマ |
Research Abstract |
1.He様イオンスペクトルの解析 プラズマからのHe様イオンスペクトル計算のための計算コ-ドを作成し、TFTRトカマク、アルカト-ルトカマク、太陽フレア-から測定されたX線スペクトルの解析に用いた。 TFTRトカマクから得られた時間依存スペクトルから、プラズマの初期に高エネルギ-電子が局所的に発生し、0.1%以下の高温プラズマ成分が生成されるモデルを考察した。高温成分により、H様イオン、He様イオンがつくられるとともに、内殻電離及び内殻励起によるスペクトル線が生成される。He様イオンからの禁制線に対して高エネルギ-成分による内殻電離が、Li様イオンからのサティライト線に対して内殻励起が大きく寄与していることが解った。プラズマ放電初期に高エネルギ-電子により、H様及びHe様イオンが生成され、これらのイオンが低温のバルクプラズマと相互作用し、H様イオンからの再結合によるスペクトル線の成分が測定されていることも解った。このように高温成分を導入することにより、電離非平衡モデルにより、イオン比とスピクトルの時間変化を説明することができ、解析手法を発展させることが出来た。 アルカト-ルカマクからのスペクトルに対しては、H様イオンとプラズマ中の水素との電荷移項過程によるスペクトが測定されていて、電荷移項によるnl分布のカスケ-ドの影響を調べた。 2.OVイオンからのスペクトル線強度比とプラズマ診断 Be様イオンであるOVは準安定状態2s2p^3Pをもつために、占有密度は密度依存性をもつ。この準安定状態の関与するスペクトル線と、一重系のスペクトル線との強度比からプラズマの電子密度を知ることができる。一方主量子数の異なるレベルからの強度比は温度依存性をもつ。これらの電子密度及び温度依存性をもつスペクトル線比について調べた。
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[Publications] T.Kato: "Recommended data for excitation rate coefficients of Helium atoms and Heliumーlike ions" Atomic data & nuclear data tables. 42. 313-338 (1989)
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[Publications] T.Kato: "Intensity rations of emission lines from OV ions for temperature and density diagnostics" Atomic data & nuclear data tables. (1990)
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[Publications] T.Kato: "Plasma diagnostics and atomic processes" NIFSー12(National Institute for Fusion Science Report). (1990)