1989 Fiscal Year Annual Research Report
自然言語仕様からのソフトウェア開発を支援するシステムの研究
Project/Area Number |
01580023
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐伯 元司 東京工業大学, 工学部電気電子工学科, 助教授 (80162254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 健伸 東京工業大学, 工学部情報工学科, 助手 (20197875)
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Keywords | ソフトウェア設計 / 仕様記述 / 自然言語 / CASEツ-ル / エディタ |
Research Abstract |
自然言語で記述されたソフトウェアの非形式的仕様から、人間との対話によって増殖的に形式的仕様へと進化させていく手法、及び支援ツ-ルの研究を行った。その成果は以下の通りである。なお、本研究では英語を対象とした。 1.非形式的仕様よりソフトウェアモジュ-ルの構造を得るための方法論 入力となる仕様中の語句とモジュ-ル構成要素を対応づける規則を、人間の自然言語理解の観点から整備した。本手法では、デ-タ型やオブジェクトを表す名詞だけてなく、ソフトウェアの機能を表す動詞に注目し、助動詞、副詞、接続詞を手がかりに動詞間の関係を抽出し、それを基にオブジェクトモデルをベ-スとしたモジュ-ル構成を設計する。 2.モジュ-ル構造より形式仕様を得るための方法論 1のステップで得られたモジュ-ル構造を表すドキュメントの不完全な部分を抽出し、対話によって補完するための方法論を研究した。自然言語記述は抜けが多いため、1のステップだけでは形式仕様を作り挙げることはできない。ここでは、得られたモジュ-ル構造に応じたテンプレ-トを用意し、記述が欠けている部分を空スロットで表わし、ユ-ザに入力させるメカニズムを考案した。 3支援ツ-ルの実現 以上の1、2のステップを支援するツ-ルをUNIX上に実現した。本ツ-ルの特徴は、1)マルチウィンドウシステムによるユ-ザインタフェ-スの向上、2)ハイパ-テキストシステムをベ-スにした、仕様や各種ドキュメント中の記述要素間の関係の自動官理、3)自由形式のテキストや表形式といった種々のドキュメントの入力編集を行なうための、単語をベ-スとした構造エディタである。
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[Publications] 佐伯元司: "自然言語仕様からモジュ-ル構造を得る手法について" 情報処理学会論文誌. 30. 1479-1493 (1989)
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[Publications] Motoshi Saeki: "Software Development Process from Natural Language Specification" Proc.of 11th International Conference on Software Engineering. 64-73 (1989)
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[Publications] 細谷隆志: "自然言語記述に基づくソフトウェア設計支援ツ-ル" 情報処理学会ソフトウェア工学研究会. 90. 33-40 (1990)
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[Publications] 徳永健伸: "概念階層への視点の導入" 情報処理学会論文誌. 30. 970-975 (1989)
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[Publications] 徳永健伸: "対訳辞書からの中間概念の抽出" 情報処理学会第39回全国大会. 750-751 (1989)
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[Publications] 徳永健伸: "理論文法におけるギャップの取扱いについて" 日本ソフトウェア科学会第6回大会. 337-340 (1989)