1989 Fiscal Year Annual Research Report
分散ネットワ-ク環境での協調問題解法についての研究
Project/Area Number |
01580030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
萩原 兼一 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00133140)
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Keywords | 分散アルゴリズム / メッセ-ジ複雑度 / リ-ダ-選出問題 / 停止故障 / 方向感覚 / 完全ネットワ-ク |
Research Abstract |
交付申請書・平成元年度の研究実施計画(1)ー(3)に関して、次の結果を得た。すべての計算機間にリンクの存在するネットワ-ク(完全ネットワ-ク)で、計算機が故障している可能性がある場合に、故障していない計算機の中から正確1つだけリ-ダを選出する問題を考察している。そして、大局的方向感覚のある場合(例えば、各計算機が他のすべの計算機の識別子を知っている場合)に、選出するまでに要するメッセ-ジ総数が最適である分散解法を提案している。この問題に関しては、メッセ-ジ数の上界と下界とが一致した結果が出せたので、オ-ダ的には改善の余地がない最良の結果である。 〔新たに得られた知見〕いままで考察されている分散問題は、問題を1度だけ解くことを考えての問題設定である。しかし、実用上たとえば最小コスト生成木構成(MST)問題にしも、リンクの故障や復旧は何度も発生し、MST問題もそれにつれて何度も解く必要がある。この場合、毎回初期デ-タから新規にMST問題を解く分散解放を走らすことも考えられるが、たとえば初期デ-タ以外に現在のMSTの解を知っているという状況を考えても不自然ではない。さらに、1回のMST問題に着目するのではなく、連続するm回のMST問題に着目して、その総計のメッセ-ジ数などを評価尺度とする。このような問題設定を、更新問題と名付けるが、基本的な分散問題をこの問題設定で研究することも重要であることを意識した。 研究遂行上生じた問題点は、現在のところない。
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[Publications] 朴政鎬: "重み最小生成木構成の分散アルゴリズムについてーリンク削除の場合ー" 電子情報通信学会技術研究報告. COMP89ー25. 1-10 (1989)
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[Publications] Toshimitsu Masuzawa: "Optimal faultーtolerant distributed algorithms for election in complete networks with a global sense of direction" Proc.of 3rd International Workshop on Distributed Algorithms(Lecture Notes in Computer Science 392.SpringerーVerlag). 171-182 (1989)
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[Publications] 朴政鎬: "トポロジ変化時の重み最小生成木を再編成する分散アルゴリズムについて" 情報処理学会アルゴリズム研究会資料. 90ーALー13ー2. 1-8 (1990)
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[Publications] 萩原兼一: "分散アルゴリズム" 情報処理学会誌. 30. (1990)
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[Publications] 萩原兼一: "分散人工知能と分散アルゴリズム" 人工知能学会誌. 5. (1990)
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[Publications] 萩原兼一: "分散協調問題解決と分散アルゴリズム" 京都大学大型計算機センタ-研究セミナ-報告. (1990)