1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01580044
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
古川 敏紀 広島大学, 医学部・附属動物実験施設, 助教授 (30114127)
|
Keywords | カニクイザル / 血漿タンパク / プレアルブミン / アルブミン / ヘモペキシン / ハプトグロビン / トランスフェリン |
Research Abstract |
本年度は前年度にカニクイザル血漿から分離・精製したプレアルブミン、アルブミン、α1酸性糖タンパク、ハプトグロビン、ヘモペキシン、セルロプラスミン、トランスフェリンについてのポリクロ-ナル抗体の抗血清採取、および新たなタンパクとしてフィブリノ-ゲンの精製を行なった。しかし抗血清採取を行なっていた家兎が疾病に罹患し、数頭を失った。この事故により実験に大幅な遅れが生じた。失ったアルブミン、ハプトグロビン、ヘモペキシン、トランスフェリンについては、再度血漿より精製作業を行ない、現在、アルブミン、トランスフェリンについては良好な抗血清採取を再開した。以上の理由により、今年度分離予定のタンパク質は、その対象を縮小せざるを得ず、新たなタンパクとしてはフィブリノ-ゲンの精製にとどまった。次にカニクイザルの実験繁殖群個体の血漿タンパク質の血漿中濃度については、単純免疫一次拡散法、ロケット電気泳動法などについての予備試験を実施した。その結果、単純免疫一次拡散法を用いて、カニクイザル血漿を試料としての各種タンパク質の血漿中含有量を、年齢をおって定量操作を開始した。現在、最も実験用として用いられることの多い3、4、5歳齢を中心に、より高齢の6、7歳齢の動物について測定を行なっている。試料としては生後0日例より12歳齢に至るものを、本年度確保し得たので、今後随時検討を行なう。さらに高圧アガロ-ス電気泳動および二次元電気泳動に続く、免疫固定によりカニクイザル血漿タンパク質の遺伝多型については、トランスフェリン、ハプトグロビンの2種について検討した。その結果、ハプトグロビンに於て移動度の早い、ヒトに於てファストタイプと思われる1個体を見いだした。今後さらに試料を追加して観察を続ける予定である。
|
-
[Publications] Furukawa,T.,H.Inoue,C.Shiomi: "Simple purufication method of Plasma Albumin on Cynomolgus monkey."