1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01580051
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
佐久間 隆 茨城大学, 理学部, 助教授 (10114018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 東之 茨城大学, 工学部, 講師 (30202154)
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Keywords | 超イオン導電体 / 中性子非弾性散乱 / 銅カルコゲナイド |
Research Abstract |
平成2年度では、この研究課題の2つの柱,(1)X線異常散乱測定結果のデ-タ解析および(2)中性子散乱実験およびのデ-タの解析を実行し、次のような新たな知見をえた。まずCu^2Seの超イオン導電相でのX線異常散乱測定から得られた散漫散乱強度を,デバイラインの強度条件を保ちつつ散漫散乱強度の説明可能なモデルシミュレ-ションを新たに開発し、これを実行した.いまのところ,散漫散乱ハロ-の第一及び第二ピ-クの位置の再現性はあるが、定量性は不十分な状況にある。この原因として近接原子間相互作用の単純な近似の仕方があげられ、これを改善すべく銅イオン間の短距離秩序度の導入などを現在検討している.一方昨年度のCu^2Seに引き続きCu^2Se,Cu^<1.8>S,Cu^<1.8>Se等の銅イオン伝導型超イオン導電体の中性子散乱実験を行った.(T.Sakuma,K.Shibata and S.Hoshino Solid State Ionics40/41(1990)337) この結果,銅イオン型超イオン導電体はすべて3.4meVの低エネルギ-励起のあることを確認した.この他,CuIの低エネルギ-励起の温度依存性を初めて測定し、このスペクトルは予想どおりイオン伝導度の増加とともいわゆる準弾性散乱スペクトルに近ずくことを確認した.この解釈として,従来フォノンで用いられている減衰項を取入れた考察を現在行っている。この結果は平成3年10月にカナダで開催される第8回固体電解質国際会議で発表予定である. これらの研究に関連し銅ハライドー銅カルコゲナイト化合物の研究を行った。これらの物質群についての研究は、物質合成後ほとんどなく、我々は主として低温領域での相転移の有無および未決定の構造解析を行っている。これらの研究結果は近日中にJ.Phys.Soc.Jpn.に発表する予定で準備中である.
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Research Products
(1 results)