1990 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄における住民の食行動と成人病との関わりに関する研究
Project/Area Number |
01580067
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
尚 弘子 琉球大学, 教育学部, 教授 (40044888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 節子 琉球大学, 教育学部, 教授 (10044934)
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Keywords | 高齢者の食行動 / 成人病 / 養生食 / 鮒とにがなの煎じ汁 |
Research Abstract |
1。研究目的 沖縄は日本一の長寿県であり内外から注目をあびている。しかし一方では、本県における心疾患が死因の第2位に浮上したのが全国より3年早く、米国統治による食生活への影響が大きいものと思われる。本年度は、沖縄における60代、および70代の高齢者について食行動の実態を検討し、成人病の予防因子の検索を目的とした。 2。研究方法 本年度は県内那覇市小禄地区の老人77名について食生活に関するアンケ-ト調査を行い面接により確認を行った。併せて、その中から10名については2日間の食事記録より栄養素摂取量の集計を行った。又、老年者が養生食として好んで摂取している鮒とにがなの煎じ汁を凍結乾燥し、微量成分及び脂質成分について定量を行った。 3。結果(1)現在の食生活状況については3食きちんととる者が86%、塩分を控える者93%、牛乳な肉類、豆腐、野菜、海藻類の摂取頻度についてもバランスがとれていた。これは家族との同居が81%と高いことによる影響が大きいと思われる。一方、体位については肥満者の割合が60代で約31%、70代で19%であり全国値のそれぞれ21%、12%に比しかなり高い。栄養素摂量の充足率についてはエネルギ-が106%、タンパク質が92%、ビタミンA、B_1、B_2、Cについても充足されているが、Ca、Feは約70%と低い。食塩は約8gであった。脂質エネルギ-比が29%と高く肥満との関係から今後の検討が必要である。 (2) 鮒とにがなの煎じ汁につては、にがなの微量成分の定量と、煎じ汁の調整法について検討を行った。さらに聴き取り調査及び交献に示された煎じ方の2方法に基ずいて調整した煎じ汁を凍結乾燥し脂質の抽出と総脂質の定量を行った。にがなの成分ではカリウムが416mg%(水分92%)と高値を示した。また、煎じ汁の調整法で油を用いないものでは脂質含量が約7.8g%であった。脂肪酸組成ついてはガスクロマトグラフィ-のより分析中である。
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