沖縄における住民の食行動と成人病との関わりに関する研究

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 01580067
• Research Institution: Univ. of the Ryukyus
• Principal Investigator: 宮城 節子 琉球大学, 教育学部, 教授 (10044934)
• Keywords: 沖縄 / 長寿 / 食習慣 / 血液性状 / 食塩摂取量 / 養生食

Research Abstract

沖縄は日本一の長寿県であり、内外から注目されている。しかし27年に及ぶ米国統治により、全国でも食生活の欧米化は著しい。成人病のリスクファクタ-を把握し、その予防を目的として年代別の住民の食生活調査及び血液性状の測定、特殊な養生食の微量成分の測定を行い下記の結果を得た。
1。平成元年度1)県内中学生250名について食生活に関するアンケ-ト調査を行い体型、栄養バランス、摂取食品数、食行動を検討するとともに、86名については血液成分値を測定した。男子において高コレステロ-ル者の割合が高く、肥満との相関がみられた。2)養生食として多用されている“いかのすみ汁"の脂肪酸組成ではアオリイカに高度不飽和脂肪酸含量が高かった。
2。平成2年度1)老年者80名の食生活調査では脂質アレルギ-比が高く、肥満者の割合が高かった。栄養素摂取量ではCaとFeが低かったが、塩分の摂取量に過剰はみられなかった。
2)“鮒と苦菜の煎じ汁"について脂質および微量成分の分析を行った。
3。平成3年度1)県内の女子高校成438人、比較の対象として宮崎県内及び長崎県内の女子高校生438人、比較の対象として宮崎県内及び長崎県内の女子校高校生278名の食生活に関する調査を行った。基本的な食品摂取状況、ファ-ストフ-ド、間食、朝食の欠食状況、運動、体型への認識等において多くの問題点がみられた。2)主婦の食生活調査及び食事買い上げ法による塩分測定を行った。肥満者の割合が高く、疾病経験との間に関連性がみられた。食品の摂取状況においては年代差がみられ、今後、若年者の対象の幅を広げ、血液性状と栄養、運動との関連について、成人病予防の観点から調査研究を行いたい。