1989 Fiscal Year Annual Research Report
糖-タンパク質縮合反応に伴う老化現象の解析と食品成分による反応制御
Project/Area Number |
01580068
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
木苗 直秀 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教授 (00046286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 みつ子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (60210423)
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Keywords | D-グルコ-ス / D-リボ-ス / アルブミン / アミノ-カルボニル反応 / 茶葉抽出物 / 老化制御 |
Research Abstract |
近年、糖尿病の発症や加令に伴い、生体内組織(脳、肝臓、心臓、眼球)中に糖・タンパク質由来の蛍光物質が有意に蓄積することが報告されている。しかし、当該蛍光物質の構造、生成メカニズム、生成防御法については十分に明らかにされていない。著者らは糖としてD-グルコ-ス、D-リボ-スを、タンパク質として牛、またはヒト由来のアルブミンを用いた各組合せのモデル系を作成して、37℃、中性リン酸緩衝液中でアミノ-カルボニル反応を行った。経時的に反応溶液を取り出し、420nmで吸光度を測定して反応測度を調べ、励起波長370nm、蛍光波長440nmにおける蛍光強度を測定した。その結果、いずれの反応系においても反応の進行に伴い、黄色蛍光物質が産生することが明らかになった。本蛍光物質についてはゲル瀘過法、電気泳動法により分離、精製したので、その構造、及び高速液体クロマト法による微量定量法を検討中である。また、D-グルコ-スとヒトアルブミンの混合溶液に茶葉(日本茶、中国茶)抽出物を添加して、同様にアミノ-カルボニル反応を行った。その結果、茶葉抽出物を添加しない場合に比べて縮合反応の遅延がみられ、さらに蛍光物質の生成量が著しく阻害されることを認め、SDS-ゲル電気泳動の挙動もその阻害現象が縮重合の抑制であることを示した。上記の実験結果については第4回Maillard反応に関する国際シンポジウム(ロ-ザンヌ、スイス)で発表した。今後、当該蛍光物質の構造決定及び、微量定量法を確立し、茶反応が実際に動物(ラット、マウス)体内で蛍光物質の産生を抑制するか否かを検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Naohide Kinae: "Mutagenicity of the reaction products from D-glucose and bovine serum albumin" Mutation Research. 216. 367 (1989)
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[Publications] Naohide Kinae: "Inhibitory effects of tea extracts on the formation of advanced glycosylation products" Develop.Food Sci.