1989 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの金銭感覚の発達(消費者教育のための基礎的研究)
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01580089
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare Junior College |
Principal Investigator |
岡野 雅子 群馬女子短期大学, 一般教育, 助教授 (10185457)
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Keywords | 金銭感覚 / 発達 / 消費者教育 |
Research Abstract |
現代社会では社会機構の分化が極めて進み、家庭生活は金銭を媒介として必要なモノ・情報・サ-ビスなどを手に入れることによって運営されている。今日、家庭生活の健全な管理運営を計る上で金銭に対する正しい認識と対処は、必要不可欠なこととなった。 本研究では、ヒトが生まれてから人間社会の中で育つなかで、どのように金銭について及びそれに代表される社会機構について認識を発達させていくのか、そのみちすじを明らかにしたいと考えた。それにより、時代の要請である消費者教育のための基礎的資料としたい。 方法は質問紙調査法である。群馬県内の公立小学校2年生、5年生、中学2年生、高等学校2年生、の4群の計1003名を対象として、(1)『お金』に対する感じ方・捉え方について(感覚面)(2)『お金』にかかわる行動について(行動面)(3)将来展望(職業選択)と『お金』の関係について、尋ねた。調査時期は平成元年9月〜10月である。 結果は以下のようである。(1)『お金』と聞いて思いつくことは「欲しい」「ちょうだい」などの羨望を伴う反応が多く、特に小学生及び郡部でその傾向が強い。『お金持』の刺激語に対して「いいな」「なりたい」が多く、年齢上昇とともに「社長」「お坊ちゃま」などの人の記述と「けち」「欲張り」などの批判を伴う反応が増加する。『お金で買えないもの』は「いのち」「人間」が最も多く、中学生・高校生では「愛」「こころ」も多い。(2)自分一人で買い物に行く時の所持金額は年齢上昇とともに上昇し、郡部の中学生・高校生では両極分化傾向が見られる。(3)将来の職業選択にあたっては、「もうかるから」「給料がいいから」は各群とも7〜9%に見られ発達段階による差は認められないが、男子は女子に較べて有意に多い。
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