1990 Fiscal Year Annual Research Report
両大戦間期のフランスにおける知識人のアンガジュマンに関する実践的研究
Project/Area Number |
01580103
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
日野川 静枝 拓殖大学, 商学部, 助教授 (90134832)
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Keywords | フランス 1930年代 / 第二次世界大戦 / 文学者のアンガジュマン / 科学者のアンガジュマン |
Research Abstract |
「両大戦間期のフランスにおける文学者と科学者のアンガジュマン(政治参加)に関する実証的研究」というテ-マに基いて、本年は2つの時期の科学者・文学者のアンガジュマンについて分析を進めた。 1つは、1930年代のフランス人民戦線形成過程における科学者・文学者の役割の解明である。この点に関しては、1932年8月文学者ロマン・ロランとアンリ・バルビュスの呼びかけで始められた『戦争とファシズムに反対する運動』(アムステルダム・プレイエル運動)の役割が重要であること、また同時に、1934年3月に科学者のポ-ル・リヴェ、ポ-ル・ランジヴァンや哲学者アランなどによって創設された『反ファシスト知識人監視委員会』の役割が重要であることが明らかとなった。このような知識人を中心とした反戦・反ファシズムの広範な運動こそ、労働戦線の統一、政治戦線の統一を推進する基盤となったと考えられる。 もう1つは、1940年7月以後のペタン政権下のフランスにおける科学者・文学者のレジスタンス運動の解明である。文学者のレジスタンス運動に関しては、昨年度発表の「第二次大戦下における文学者のアンガジュマン(社会参加)について(I)」の続編(II)を準備中である。科学者のレジスタンス運動については、一次資料の収集が進まず、現在二次資料として、アンドレ・ランジュヴァン著『わが父、ポ-ル・ランジュヴァン』、その他を翻訳分析中である。
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