1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01580119
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
伊藤 宏 静岡大学, 教育学部, 助教授 (20022296)
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Keywords | リレ-・短距離走 / 授業研究 / 児童の発育発達特性 / 継続的に測定 / 疾走速度・歩幅・歩数頻度 / 運動意欲 / 失敗回避行動 / リレ-学習 |
Research Abstract |
「リレ-・短距離走」の特性をふまえた授業研究を行う際、児童が全力を入れて走れる短距離走の距離についても児童の発育発達特性を考慮に入れて求めておかなければならない。当研究所では、男子20名、女子20名計40名小学校1年生から中学3年生になるまでの9年間、50m疾走中の速度、歩数頻度、歩幅の変化を継続的に測定・分析してきた。その結果、小学校5・6年生の短距離走疾走距離は50mでも十分に短距離走の教材として用いられることが判明した。 今回の研究では、小学校6年生1クラス男女37名を実験群、別のクラス男女32名を統制群にし、実験群には「リレ-・短距離走」の授業を6時間(指導時間の前後1時間は測定に当てたため、実際の指導時間は4時間になる)、統制群にも「機械運動・水泳」の授業を6時間行ない、指導前後の50m走タイム、疾走中の速度、歩数頻度、歩幅などの変容、そして、運動意欲(MIPE)によって児童の「やる気」の変化を求めた。 結果として、50m走タイムの短縮は男女とも走力の中・下位群で見られた。指導後の走り方では、上・中位グル-プは歩幅を伸ばさず、ピッチを定下させずに走り切っており、下位グル-プは、逆に、ストライドを伸ばしてして走る傾向を示した。リレ-を学習することによって、児童の走能力は一様な変化を示すのではなく、走力に応じた走り方を示すものと思われる。また、児童の運動意欲は走力によっても違いが見られ、速い児童の方が積極的な行動を示し、楽しいはずのリレ-の学習でも遅い児童には失敗回避行動、価値観の定下などの消極的な態度が見られた。指導に際して、遅い児童に対して十分な配慮がなされなければならない。
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Research Products
(1 results)