1989 Fiscal Year Annual Research Report
持久力発現効果に及ぼす食環境の栄養生理学役割に関する研究
Project/Area Number |
01580128
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
屋代 正範 福岡教育大学, 教育学部・第三部, 助教授 (50145158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 康二 福岡教育大学, 教育学部・第三部, 教授 (20036908)
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Keywords | 動物性脂肪 / 植物性脂肪 / 脂肪酸組成 / グリコ-ゲン / 組織酸素消費量 |
Research Abstract |
(目的)貯蔵脂肪の分解によって得られた脂肪酸は、主要なエネルギ-基質の一つとして活動組織において酸化利用される。その場合、いくつかの遊離脂肪酸が特異的に活動組織に取り込まれ利用されることを示唆する報告もあり、組織中の脂肪酸組成の違いによっては脂肪酸の体内利用に影響を及ぼし得る可能性も考えられる。本研究は、動物性脂肪や植物性脂肪の脂肪酸組成の異なる油脂を各々動物に与えた場合の影響を、絶食及び運動負荷時のエネルギ-基質レベル、組織酸素消費量及び組織脂肪酸組成の変動から検討することが目的である。 (方法)4週令のICR系雄マウスを用い、無脂肪食群、一般食群、牛脂食群(Beefと略)、コ-ンオイル食群(Cornと略)、ココナッツオイル食群(Cocoと略)、オリ-ブオイル食群(Oliveと略)の6群を設けた。屠殺当日は、60分間の遊泳運動負荷及び20時間の絶食を負荷し解剖を実施し分析を行った。 (結果)血清Glucose値はいずれの群も絶食及び運動により減少した。血清遊離脂肪酸レベルは絶食及び運動によりいずれの群も増加する様子にあったが、とくにOliveでその増加度は大きかった。一方、組織Glycogenの中でも肝臓Glycogenレベルの変動は絶食及び運動によりいずれの群も減少を認めたが、興味深いことにOliveでその減少の程度は極めて小さいことが示された。肝組織酵素消費量はBeef、Corn、Oliveの群が他の群に比べ有意に大きいことが認められた。以上の結果から特にC_<18>:_1の組成比の高いOliveがエネルギ-基質としての脂肪酸の酸化利用を亢進させ得る可能性を本研究は示唆したといえよう。
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