1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01580145
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
米澤 敏 北海道大学, 理学部, 講師 (90001867)
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Keywords | カテプシンE / N端アミノ酸配列 / プロセシング / エンドセリン / 酸性プロテア-ゼ / 蛋白質分解特性 |
Research Abstract |
1.ラットマクロファ-ジを ^<35>Sーメチオニンでパルスラベルレ、抗力テプシンE抗体との複合物をSDSーPAGEで解析したところ、精製カテプシンEより4000Da大きな分子型が捕捉された。遺伝子の塩基配列から推定されている一次構造と比較して、この分子はプロ型と考えられた。しかし、チェイス48時間後でもこの分子の成熟酵素型への変換は認められず、本酵素のプロセシングの機構にはなお疑問が残っている。 2.単クロ-ン抗体を用いた解析により、細胞・組織抽出液中の酵素分子と精製酵素分子との間に2500Daの違いがあることがわかった。この両型の構造的機能的関係を探るため、胸腺組織から両型を精製する方法を確立した。高分子量型は酸性条件下で低分子量型に変化し、この際、N端部26残基の切断がおこることがわかった。この変化はペプスタチンによって阻止され、ペプシノ-ゲンーペプシン変換の場合と同様、分子内切断機構が働いているものと思われる。両型について、活性のpH依存性を種々の基質を用いて調べた。その結果、高分子量型の至適pHが中性側にシフトすることを除くと、両型の分解特性に大きな変化はみられず、また、報告されているようなATPによるカテプシンEの中性域での安定化も認められなかった。 3.上記実験途上で、ビッグエンドセリンからカテプシンEによりエンドセリンが産生されるという知見が得られた。ホルモンのプロセシングファクタ-としてのカテプシンEの役割を追探するため、ヒト、牛、ラットの内皮細胞に本酵素が存在するか否かを調べたがカテプシンE活性は認められなかった。カテプシンEは血球細胞中に存在しているので、エンドセリン産生における血球の関与を探ることが今後の課題の一つとして提起される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yonezawa,S.et al.: "Structural studies of rat cathepsin E:Aminoーterminal structure and carbohydrate units of mature enzyme." Biochem.Biophys.Res.Commun.166. 1032-1038 (1990)
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[Publications] Yonezawa,S.and Nakamura,K.: "Speciesーspecific distribution of cathepsin E in mammalian blood cells." Biochim.Biophys.Acta. 1073. 155-160 (1991)
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[Publications] Yonezawa,S.,Gasa,S.and Tamoto,K.: "Generation of endothelinー1 by cathepsins E and D in vitro and its biological implications" Arch.Biochem.Biophys.
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[Publications] Yonezawa,S.et al.: "Characterization of two forms of cathepsin E which are different in the aminoーterminal structure." Biochim.Biophys.Acta.