1989 Fiscal Year Annual Research Report
ミオシンATPaseを阻害する新規生物活性物質のミトシン頭部上の作用部位の決定
Project/Area Number |
01580146
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
平塚 寿章 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30041825)
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Keywords | ミオシンATPase / 生物活性物質 / ATPase阻害剤 |
Research Abstract |
沖縄県のケラマ諸島と与那国島の水深25〜30mで採集した特定の海綿(種は不明)のアセトン抽出物中にミオシンATPaseを阻害する活性を見出した。得られた抽出液を濃縮後凍結乾燥し、20mM炭酸アンモニウムに溶解してセファデックスマクロマトグラフィ-にかけ、活性画分を集めてフェニルセファロ-スCL4Bのクロマトグラフィ-にかけてさらに精製した。このようにして得られたミオシンATPaseを阻害する新規生物活性物質は、分子量約6000のペプチドで、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、グリシンに富み、極性アミノ酸と疎水性アミノ酸をほぼ1:1の割合で含む両親媒性ペプチドであった。ミオシンATPase反応や筋収縮の試験管内モデルと考えられているアクトミオシンの超沈澱反応は、このペプチドが10〜400ng/mlの濃度で共存すると完全に阻害された。 ATPase活性部位を含むミオシン頭部(S-1)の23Kドメインを9-アントロイルニトリルで螢光標識したAN-S-1を調製した。AN-S-1はMg^<2+>-ATAase活性が損なわれいないのみならず、ATP加水分解反応に伴って生ずるミオシン頭部の構造変化を、S/N比の大きな螢光スペクトル変化として知らせてくれる。AN-S-1に海綿から単離した活性ペプチドを加えると螢光強度が変化した。また、活性ペプチド共存下でAN-S-1にATPを加えても、ATP加水分解反応に伴う螢光スペクトル変化は全く観測されなかった。 以上の結果から問題の活性ペプチドはミオシン頭部の23Kドメインに作用して、ミオシンATPase活性を阻害することが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshiaki Hiratsuka: "Conformational Changes in the 23-kDa NH_2-terminal Segment of Myosin ATPase Associated with ATP Hydrolysis" Journal of Biological Chemistry. 265. (1990)
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[Publications] Toshiaki Hiratsuka: "Probing the Mechanism of the Formation of a Stable Complex between Myosin ATPase,ADP,and Vanadate Using Fluorescently Labeled Myosin Subfragment 1" Journal of Biological Chemistry. 265. (1990)