1989 Fiscal Year Annual Research Report
微生物由来リボヌクレア-ゼの基質認識および反応の機構の3次元構造に基づく解明
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01580152
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 和郎 東京大学, 薬学部, 助手 (00012675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 幸雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40012637)
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Keywords | リボヌクレア-ゼ / 酵素 / 立体構造 / X線結晶解析 / 基質認識 / 反応機構 |
Research Abstract |
1.リボヌクレア-ゼMs*3'-GMP複合体結晶の分子置換法による解析は比較的順調に進んでいる。すなわち、すでに得られていた結晶化条件を整えることにより、4軸回析計によるデ-タ収集実験に必要な大粒の結晶を得ることに成功し、その結晶を用いることにより2.5Å分解能でNative結晶の回折デ-タを収集することができた。2.西独自由ベルリン大学のハイネマン博士より供与されたリボヌクレア-ゼT1の座標に基づいた回転関数の計算結果から蛋白分子の格子軸に対する方向を決定することに成功、さらに並進関数の1種であるプログラムBRUTEを使って、蛋白分子の重心の確からしい位置を決定することができた。解析の確からしさを表す座標であるR因子は40%台とかなり低い値となっており、グラフィックスと最小2乗法を使った精密化を実施するのに十分なスタ-ティング・モデルが得られたことになる。3.この間にリボヌクレア-ゼMsと2'-GMP、3'-AMP、GfpCなど阻害剤あるいは基質類似体との複合体の結晶化を試みており、いくつかのものについては小さいながらも結晶を得ることに成功している。2の解析が成功すれば、これらの結晶も比較的容易に解析できるはずであり、本研究で注目しているリボヌクレア-ゼの基質認識および触媒反応機構を明らかにするための重要な知見をもたらすと思われる。4.リボヌクレア-ゼRhに関しては、従来から結晶の多型に悩まされていた。しかし今回、結晶母液にMgイオンを共存させると、1種類のタイプの結晶のみ得られ、かつより完全な結晶を得ることができることを発見した。その結果、有力な重原子誘導体も数種類得られており、解析がうまく進むことが期待される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hiroyuki Kurihara: "Crystallization of a New Class of Microbial Ribonuclease from Rhi20pus niveus" J.Mol.Biol.206. 791792 (1989)
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[Publications] Takamasa Nonaka: "Crystallization of a Complex Between Ribonuclease Ms and 3'-Guanylic Acid" J.Mol.Biol.207. 853-854 (1989)
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[Publications] Yasuo Takeuchi: "Structural and Functional Aspects of Protein-protein Interaction as Studied through Crystal Structure of Subtilisin Complexed with It's Trapped Substrate SSI(Streptomyces Subtilisin Inhibitor)" GBF Monograph series,“Advances in Protein Design"VCH Publishers. (1989)
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[Publications] Takamasa Nonaka: "Three-dimensional structure of ribonuclease Ms*guamylic acid complex at 2.5Å" Nucleic Acids Research Symposium Series. No.21. s71-72 (1989)
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[Publications] Kazuo Nakamura: "Refined crystal structure of Ribonuclease St" Proceedings of the first International Meeting on Structure and Chemistry of Ribonclease(Moscow). (1989)
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[Publications] Hiroyuki Kurihara: "Polymorphism of Ribonuclease Rh Crystals which is enhanced through Exposure to Synchrotron beam and its remedy" KEK Photon Factory Activity report. (1990)
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[Publications] 中村和郎: "結晶の分子科学入門(第5章第3節)" 講談社サイエンティフィク, 236 (1989)