1989 Fiscal Year Annual Research Report
ウリ科植物プロテア-ゼインヒビタ-のアミノ酸変異と分子進化
Project/Area Number |
01580158
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 三郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (00028193)
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Keywords | セリンプロテア-ゼインヒビタ- / スカッシュ型インヒビタ- / ニガウリ / 一次構造 / 分子進化 / アミノ酸配列 |
Research Abstract |
ウリ科植物種子に含まれるセリンプロテア-ゼインヒビタ-の構成アミノ酸残基数はわずか28前後でしかない。それ故、従来行われてきたようにアミノ酸の変異数に基づいて進化系統樹を作成する必要がなく、直接アミノ酸の変異を追跡することによってより正確な進化系統樹を描くことができる。 今年度はインヒビタ-の精製法を確立するため、ニガウリ、カンピョウ、ヒョウタン、シラウリ、ヘチマおよびトウガン種子に含まれるインヒビタ-を探索した。その結果、ニガウリ種に最も大量にインヒビタ-が含まれていることが分ったので、大量精製法の確率を目的として、これを用いて大量精製を試みた。ニガウリ種子抽出液をアセトンで沈澱させ、65-90%アセトン沈殿画分を得た。この画分をさらにゲルろ過してインヒビタ-画分を集めた。次に弱塩基性イオン交換樹脂(40μPEI、Bakerbond)を用いてクロマトグラフィを行い、3つの画分に分けた。さらに逆相HPLC(5C_4-300および5C_<18>-P、Cosmocil)で精製し、4種類のインヒビタ-を得た。この精製法を他のウリ科植物に適応したところ、ウリ科植物のインヒビタ-の精製法として有効であることが分かった。 ニガウリ種子から得られた4種類のインヒビタ-のアミノ酸配列分析を行い、それらの全1次構造を決定した。これらの中に既知の1次構造と同じ構造を持つものはなかった。これらのアミノ酸配列を以下に示す。 1 5 10 15 20 25 1.ERGCPRILKQCKQDSDCPGECICMAHGFCG 2.ERRCPRILKQCKRDSDCPGECICMAHGFCG 3.RICPRIWMECKRDSDCMAQCICVD-GHCG 4.RICPLIWMECKRDSDCLAQCICVD-GHCG
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